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 No.295

三輪 薫(みわ かおる)


No.295 『写す』/デジタルでの作品創り 2006/4/10

デジタルカメラの画素数は増えるばかりで、一体どこまで進化するのだろうか。一見ではなく、実質的に銀塩フィルムの再現性を越えるにはフルサイズの小型カメラで3000万画素が目安になると思ってきた。現在の1000万画素を越えるカメラでの再現性は、中判カメラで撮ったとさえ思わせるほどのきめ細かさがあり驚くほどだ。しかし、フィルムからの銀塩プリント画面と比べると、余程上手く仕上げない限り画面がのっぺりと感じることもある。色合いの深みや空気感や臨場感を引き出すには、まだまだ銀塩のほうにも利点が多い気がする。

僕のデジタルでの作品創りは、銀塩の延長としては考えていなく、銀塩で出来なかったことに興味を抱いている。つまり、デジタル世界の最終作品であるプリントを和紙や画材紙にしているので、作画と表現目的によっては数百万画素のカメラでも十分なこともある。一般的に使用されている銀塩カメラには小型カメラから大型カメラまであるが、再現性のよい大判フィルムで撮ったものが最適とは言えないのと似ている。作画目的によっては8×10インチ判カメラよりも小型カメラのほうが合っている場合もあり、デジタルカメラも同様と考えているからだ。

インクジェットプリンタによる和紙プリントの作品創りも銀塩と同様に行っているが、現状で最高の再現性を期待する場合には、中判フィルムをドラムスキャナでデジタルデータ化して出力している。この時のデータ量は、1500万画素のカメラなどでは到底敵わないものであると思う。次回には8×10インチ判のフイルムをドラムスキャナでデジタルデータ化してプリントしてみたいと考えている。ドラムスキャナがもっと安価であれば是非とも欲しいのだが、安価なものでも数百万円では購入は出来ない。

しかし、エプソンから発売されたGT-X900は、6400dpiを誇るスキャナでありながら、一般家庭用の安価さと8×10インチ判のフィルムも読み込める魅力がある。このフィルム用にエプソンES-10000G(A3プラス対応)を買うしかないかなと思案していたので、まずはこのスキャナで試してみたいと思っている。

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