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 No.303

三輪 薫(みわ かおる)


No.303 『自然』/自然に対するマナー 2006/7/20

先月に北海道へ行った時には釧路湿原も訪れたが、丹頂鶴の展望地で地元の方が嘆いていたことがある。カメラマンは柵を潜り鶴に近づいて撮影しようとしたり、家族で訪れた親が子供に柵を乗り越えて鶴に近づくようにし向けたりするマナーを心得ない人達が多くなってきたと言っていた。

カメラマンも自然を愛する人達にとっては困った存在になりつつあるようだ。マナーを心得ない不徳の輩が増えているのだろう。以前、知人の愛好家の方から次のような話を聞いたことがある。その方が所属しているクラブの講師が、「尾瀬などの湿原では自然破壊につながるので、木道以外には絶対入らないように」と言っていた。しかし、その本人が何と誰も見ていないと思ったのか入り込んで撮影しているところに出合い、呆れたという。当人同士の目が合いその講師はばつの悪そうな表情をしていたとのこと。このような人はまれだろうが、プロにしてこの有り様である。

有名な撮影地で、カメラマン同志が怒鳴りあっている場に出合ったこともある。撮影ポジションの奪い合いであったり、撮りもしないのに他のカメラマンの邪魔を平気でしていることが原因だったようだ。冬の撮影会やツアーなどで、参加者に「天候が安定する日には、新たな足跡をなるべく残さなく、後から来た人達にもこの素敵な風景を気持ちよく眺め、撮ることが出来るようにして下さい」とお願いすることもある。

しかし、撮影会やツアーの時ではないが、自分が撮った後に後から来た人達が同様の写真が撮れないようにと、あちこちの雪原に足跡を残したり、素敵な花を折ったり踏みつけて行く姿を見たこともある。実に嘆かわしい。

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