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 No.316

三輪 薫(みわ かおる)


No.316 『写す』/オリジナルプリントへの拘り-3 2006/12/2

4日から「わの会」第4回写真展が有楽町駅前・東京交通会館7階にある「京セラ・コンタックスサロン東京」で始まる。今回の会場は前回のコダックフォトサロンよりも広く、当然壁面も長いのでより多くの作品を展示でき、今回は何と半切93点である。1・2回目も同様の点数だったが、前期後期と二回に分けて2週間展示した。1回でこれだけ多くの点数を展示するのは初めてのことである。しかし、最低一人当たり20点以上の作品を応募して頂き、展示作品決定のセレクトには、展示レイアウトも同時進行で行っているので、これだけ多くの点数でも羅列したようには見えなく、見応えのある写真展になったと自負している。応募作品は自由なのだが、結果として国内外の自然風景が多くなった。しかし、造形・スナップ・花などの作品も結構あり、個性豊かな作風の作品をご来場頂いた方々に楽しんで頂けると思う。是非、ご来場頂きたい。

デジタル時代を反映し、93点の内15点がデジタルカメラで撮影した作品である。しかも、今回はインターネガによるプリントが最後になるかも知れないとの思いで銀塩プリントにしたデジタルカメラを愛用している人もいる。また、デジタルの自家処理も多く、バライタ印画紙によるモノクロの自家処理を含める13人になる。自家処理とはいえ、最終的には僕のプリントチェックを経てOKを出した作品のみを展示するので、妥協したものはない。外注の銀塩プリントはフォトグラファーズ・ラボラトリーで、デジタルプリントは堀内カラーで行った。共に日本を代表するプロラボである。

今回の写真展でもリバーサルフィルムの作品は全てインターネガを作成したネガペーパーで、グラデーション豊かなトーンを引き出した。銀塩のモノクロは全てバタイタ印画紙である。デジタルプリントはインクジェットプリンタにより、写真用紙・画材用紙・和紙と様々なメディアを活用している。しかし、インターネガがすでに製造中止になっており、2年後の「わの会」写真展では銀塩の作品プリントの選択の幅が少なくなっているだろう。銀塩プリントへの拘りを持とうとしても、多くの中から選ぶことが出来なくなってくることを覚悟しなければならない。

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