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 No.332

三輪 薫(みわ かおる)


No.332 『車』/車の改造 2007/5/25

一昨年7月に11年乗り続けた三菱デリカスペースギアが排ガス規制で車検を受けられなくなって手放し、フォルクスワーゲンT-4をベースにした長年憧れてきたキャンピングカーを入手した。13年落ちの超年代物であるが、小型車ながらさすがと思える作りである。しかし、使い始めてみると使い勝手がイマイチの部分もあった。まず初めに困惑したのがヘッドランプが余りにも暗いことだった。外灯もない暗い夜道を走行中に何故か目の前に自分の車の影が見えることがあった。ヘッドランプを点けて走っているのにである。後ろの車を追い抜かせたら、何と軽自動車だった。笑うに笑えぬ惨めな思いをした。

購入したショップで相談したら、オートバックスに交換ランプが売っているというので、早速行って取り替えを依頼した。この車の交換ランプはH4タイプで、何と2個で1万円もした。しかし、明るくなるなら仕方がないと思ったのだが、夜道を走ってみると、どれほど明るくなったのかが理解できない程度でガッカリした。VW T-4の師匠を通じて知った横浜市の同じ車を愛用している方のサイトにHIDランプのことが紹介されていた。かなり明るいらしい。(http://heil.web5.jp/)

師匠がネットで検索してくれたり、自分で捜したりして、HIDランプをセットで購入した。しかし、僕の車にはヘッドランプ自体がそのHIDランプには合わなく、また師匠に相談して本体をドイツから輸入していただいた。そして、先の横浜市の方が取り付けてくれると申し出てくれ、仕事休みの日に来ていただいて目出度く交換が完了した。実走してみると、夢のような明るさだった。これが改造の二回目であった。最初の改造は、改造とは言えないくらいのものだが、この車にはカップホルダーが助手席前のグローブボックスの蓋に付いており、蓋を開けると内部のランプが点灯する。長時間点灯していると熱をもつので消灯できるスイッチを付けた。

T-4をベースにしたキャンピングカーは、以前乗っていたデリカよりも車幅が少し広いだけの小型の1ボックスタイプで、乗車定員に比べ当然ながら就寝定員が少ない。定員を多くするために屋根を高くしたり、ポップアップできるようにした二種類がある。僕の車は後者であるが屋根の重量がかなりのもので、電動で上がるのではなく、ステーを自力で持ち上げるタイプだ。これがもの凄く重く、まるで重量挙げ選手のような格好で挙げないとポップアップできない。何度か試みたが、成功しても腰を痛めてしまうのではないかと思うくらい力が必要である。若くはなく細身の僕には、この先のことを考えるとポップアップの活用ができないままに過ぎて行くような気がした。

そのようなことからか、新型のT-5の跳ね上げ屋根は軽量化され、電動のポップアップになっている。電動への改造は敵わないが、一昨年の暮れに相談した師匠が調べてくれ、専用のダンパーがドイツにはあるとのことで昨年1月に輸入していただいた。師匠も同時に輸入し、早速取り付けたところ実に快適に持ち上がるという。僕はと言えば、やっとの思いで昨年5月の連休明けに取り付けた。それまでには一度もポップアップしないままに過ぎてしまったが、目出度く5月の大山方面への撮影行で初めてポップアップしての就寝をした。

このように自分で使い勝手がよいように改造するのも面白い。20数年前に購入した初代デリカ4WDも改造ショップに持ち込んで8ナンバーを取得したのだが、撮影用には使い勝手がよくなく、1ヶ月近く掛かってオリジナルの撮影用のキャンピングカーに改造した。近所の子供達が連日のように電動工具で格闘している姿を見て「おじさん、何してるの?」と寄ってきた。同じ年代のお父さん達が毎日仕事に行っているのに、僕が連日車庫で改造に勤しんでいるのを見て、不思議に思ったのだろう。当時は近所でも僕の仕事が何かを知る人も少なく、寄ってきた子供の親からすると、興味津々だったからかも知れない。笑うに笑えぬ出来事だった。

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