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 No.409

三輪 薫(みわ かおる)


No.409 『写す』/日進月歩のデジタル機器-2 2007/10/25

フルサイズの EOS 5D を購入以来、小型カメラでのフイルム消費量が格段に減ってきた。それまでは撮影の半分以上デジタルが超えないようにと考えてきたが、かなり進化した EOS 5D をメインに愛用するようになって、35mm判ではデジタルでもいいかなと考え始めたからである。その代わり、中判カメラでのフイルムの消費量が増えてきた。小型カメラはデジタルで、フイルム撮影は中判カメラでという姿勢に変化してきた。

かなり以前から小型カメラは肉体の延長にできるカメラだと考え、試行錯誤を積み上げながらシャッターを押してきた。つまり、出合いによって受けた感動などを目線の動きに従って多く撮り進める方法である。大型カメラのように撮影前に時間を掛け、最終形が決まったらシャッターをおもむろに押すのとは対照的な撮影法である。

現在メインに自然風景を撮っているが、何時の頃からか、ドラマチックな情景よりも、さりげない姿や表情に惹かれるようになり、それらの被写体にカメラを向けることが多くなっている。しかし、デジタルカメラでこのような被写体を撮るには悩みもつきまとう。レンズ交換時などにどうしてもセンサー部分にゴミやホコリが付着してしまい、茫洋とした明るめの被写体を撮ると、ゴミやホコリがかなり目立ってくる。この画像に写り込むゴミやホコリをパソコンでの後処理で除去しなければならないのだが、大きなサイズにプリントすることを前提に拡大すると、見事と言うくらいに多くのゴミやホコリを発見する。森の木々などの撮影では、ほとんど気にならないゴミやホコリが、淡い色調の水面や空に多く点在し、除去するには膨大な時間が掛かる。作品創りには全く無意味な時間の浪費としか言いようがない。メーカーの方に何か対策があるかと聞けば、「レンズ交換をしないこと」だとの答えが返ってきた。無理な注文である。

昨年発売の EOS kiss Digital X にはこのダスト対策も施されていて、今回発売になった EOS 40D にも内蔵されている。嬉しいことだ。万が一写り込んだダストも付属ソフトウェアDigital Photo Professionalで現像時に一括でゴミ消し処理ができる。最近の各社のレンズ交換式デジタル一眼レフカメラの多くに内蔵されるようになってきたようだ。結果として、フルサイズの EOS 5D よりも EOS 40D のほうがメイン機種になってしまった。

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