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 No.410

三輪 薫(みわ かおる)


No.410 『写す』/デジタルカメラの画素数 2007/11/6

デジタルでは、画素数が多いほうがよいのだろうか。フォトライブラリーでは画素数が1,000万画素よりも少ない写真は扱わないとの通知が、かなり以前にあった。1,000万画素以下のデジタル写真は商品価値が失せ、悲しいかなゴミ同然に扱われてしまう。

しかし、表現としてのデジタル作品として考えると、全てを画素数で判断できるとは思っていない。何故なら、銀塩の世界で同じ様な考え方で判断すると、「4×5インチ判や8×10インチ判カメラで撮った作品は評価できるが、小型カメラで撮影した作品は問題外」とは、絶対に言われることはないからだ。

確かに、35mm判のフィルムカメラで撮った写真よりも、大型カメラで撮った写真のほうがはるかにきめ細かく、大きく引き伸ばしたプリントでも、当然ながら拡大率が少なくて画像はシャープに見える。だからといって作品表現として優れていると判断できるわけではない。カメラは写真を撮る道具であり、評価されるのはフィルムサイズではなく、写された内容であるからである。

デジタルフォトも同じで、ライブラリーのように表現よりもあらゆる事への対応を要求される写真と、作品として表現する写真との違いはあると思っている。だからこそ、数百万画素のデジタル作品だからと言って、軽んじられることはないはずである。現在の写真界では、この辺りのことが、今一つ分かっていない人や企業が多すぎるような気がしてならない。

デジタルカメラのRAWの画素数を3種類選択できるようにと以前からメーカーに要望を出していたが、 1,010万画素のEOS 40Dには250万画素も選択できるようになっている。一歩前進である。このカメラはセンサー部分に付着して画像に写り込むゴミやホコリなどのダスト対策も施され、広角専用レンズを揃えれば、愛好家の方ならもう十分と思えるカメラに仕上がっている。次ぎに期待するのはフルサイズの EOS 5D の次機種で、出来ることなら希望通りのRAWの画素数を3種類選択できる機種であって欲しいと願っている。

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