Toppageへ
 No.411

三輪 薫(みわ かおる)


No.411 『車』/車の作りと装備品 2007/11/15

以前、車検手続きの代車がトヨタの小型車・カローラIIだった時、ハンドルがやけに軽く回り、ふわふわとした走りに戸惑った。この代車で、測道のガードに擦ってしまったことがあった。この原因には運転ミスもあるだろうが、ハンドルの軽さにもあった。慣れも必要だがハンドルにはある程度の重さも必要だと思う。特に高速道路での走行には、重いほど安定した走りをしてくれ、安心感が高い。しかし、1999年に宮古島へ行ったとき、事情があって日産レンタカーの1ボックスカーを借りた。宮古島なのに何故か4WD車で、しかもパワーステアリングが標準装備されていない車だった。ハンドルが超重く、数日の運転で腕が麻痺し、大半運転していた妻などは、いまだにその時の後遺症を抱え、嘆いている。数十年前のことならあり得るかも知れないが、このような仕様の車を今時市販する企業姿勢を疑ってしまう。走ることに敢えて必要とは思えない装備品をなくし、その分をパワーステアリングの装備に回すべきだろう。

TVの車の番組は以前ほど多くないが、現在放映されている神奈川TVの「クルマのツボ」は、毎週欠かさずビデオに録画して観ている。主役の車の評論家である岡崎五朗氏が、国産車が登場の時に毎回のようにメーカーに注文を付けているのが、後席の3点式シートベルトである。大半の日本の車には2席にしか標準装備されていない。車の安全基準が厳しい海外に、日本で売っているのと同じ装備の車を輸出しているのだろうか。

確かに日本の車は故障も少なく、実に様々なアクセサリー的なものを多く搭載されている。しかし、長年乗り続けても飽きの来ないデザインや、朽ちない堅牢性、長時間乗っていても疲れを感じない上質なイスへの配慮が、200万円を超える車でも、いまひとつ足らない気がする。これらはカタログデータからは知り得ないもので、買って乗り続けて初めて知り、理解できるものだ。

だからと言うわけではないが、ユーザーを裏切らないと信じているVWの2台を移動手段の道具として乗っている。撮影用のT-4キャンピングカーは購入時には13年落ちで、その年式の割には結構な価格だった。しかし、トータルで考え、あえてこの古い年式の車を選んだ。次々と問題を起こしてくれるが、何故か許してしまう魅力がある。超年代物の車を購入したことへの後悔はなく、愛着が増すばかりの不思議な車である。

戻る