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 No.416

三輪 薫(みわ かおる)


No.416 『写す』/銀座の写真展ギャラリー事情 2007/12/27

オリジナルプリントによる作品の個展をメインに活動してきた僕のような者には困ることもある。作品の発表の場である身近なギャラリーが年々少なくなっていることだ。1991年以降、銀座のギャラリーをメインにして活動してきた。新宿界隈には写真展ギャラリーが確かに増えているが、海外のブランドショップが銀座界隈に集中しているように、銀座には独特の雰囲気がある。作品発表の場としてふさわしい環境を併せ持っていると思っている。

7月に富士フォトサロンが六本木に移転した。コダックフォトサロンは来年2月にお茶の水に移転し、現在2つあるギャラリーが1つになり、しかも壁面が小さいほうと同様のが残ることになる。京セラ・コンタックスサロン東京は、数年前に銀座の中心である鳩居堂ビルから有楽町駅前の東京交通会館に移転したばかりだが、京セラ(株)もカメラ事業を終了したのを受け、2009年3月で閉館となる。メーカーギャラリーで銀座に残るのは、キヤノンギャラリーとニコンサロンのみとなってしまう。銀座にはショップやプロラボが運営する写真ギャラリーもいくつかあるが、その内の1つである山田商会が運営のPicも今月で閉館となる。実に寂しい限りだ。

しかし、写真関係のメーカーに比べ会社の規模が小さいショップやプロラボ運営するギャラリーは、会場が小さいとはいえ、運営に要する経費が占める割合は比較にならないほど大きいはずである。それでも何とか運営していることに比べ、次々と銀座から移転や撤退するメーカーギャラリーが相次ぐことは寂しさを通り越してしまう思いがする。

新宿のメーカーギャラリーにしても同じようなことが言えるかも知れない。随分前にオリンパスギャラリーが新宿から移転し、ペンタックスギャラリーも隣のビルに移転と同時に壁面が少なくなってしまった気がする。先日伺ったときには、人の流れが違い、来場者は確かに少なくなってしまったという。コニカとミノルタが合併し、共に運営していたギャラリーが元のコニカギャラリーに統一され、写真界業界から撤退したこの会社が、何時このギャラリー運営を止めても不思議ではない状況にあると杞憂している。来年はどうなるのだろうか。

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