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 No.422

三輪 薫(みわ かおる)


No.422 『写す』/デジタルカメラの選択 2008/2/5

レンズ交換式のデジタルカメラには、フルサイズと APS 的なサイズがあるが、どちらの選択がよいのだろうか。フルサイズのカメラは銀塩カメラと同じ感覚で使える。同じ焦点距離で同様に写るからである。また、被写界深度の浅い美しいボケ味も期待できる。一方の APS サイズ的なカメラは、銀塩カメラに比べ焦点距離が 1.5-1,6 倍の換算で写るため、広角側には物足りなさを生み、専用のレンズを購入しなければならない。しかし、望遠側には強く、持参のレンズではテレ側が足らないときには威力を発揮してくれる。だから、僕は両方用意して撮影に臨んでいる。

2005年のカメラ誌11月号には、発売されたばかりの EOS 5D をメインとした特集が多く掲載されていた。フルサイズは良い点も多いのだが、画面周辺の再現性には問題が残っているようだ。APS サイズ的なカメラは、小型カメラに中判カメラ用のレンズを装着しているのと同じで、レンズの周辺は使わないから画面の隅々まで再現性がよい。デジタルカメラは銀塩カメラと違って CCD や CMOS にレンズからの光が直角に入るのが理想だが、この問題は未解決だとメーカーの人は言っていた。2-3段階絞り込むと見た目の不足感は補えるらしいので、それほど大きな問題ではないかも知れない。しかし、僕の個展のように畳1枚分くらいのサイズまで引き伸ばすと、気になってくるかも知れない。だからか、次々とデジタル対応のレンズが発売になっている。

現状では、銀塩の印画紙のようなフォトペーパーに出力し、ワイドレンズを多用したり、開放F値のボケ味を引き出したい人には高画素数のフルサイズがお薦めで、フィルムと平行して撮る場合にもレンズの選択にも戸惑いがない。望遠レンズの使用が多い人や画面の周辺まで開放絞値でもきれいな描写性を期待するなら APS 的サイズがお薦めで、 EOS kiss Digital X などのように小型軽量タイプのカメラは、中判銀塩カメラと共に持ち歩くには便利で、お薦めである。EOS kiss Digital X も3月には X2 に進化する。

デジタルカメラの問題は受光素子に付着する埃である。しかし、最近のカメラにはホコリ取り装置が内蔵され、見事なくらいにきれいな画像が得られる。僕の作品のように茫洋とした風景には必要なスペックである。キヤノンでは、安価なタイプのEOS kiss Digital X にも内蔵され、昨年秋に発売の EOS 40D にも入っている。現在、 EOS 5D と共に EOS 40D も持って行くが、埃を気にしないで撮影できるEOS 40D で大半撮っている。APS サイズとはいえ、1,010万画素もあれば十分と考えているからで、後処理でホコリの除去に費やす膨大な時間を節約できることは、間違いなく優先で使いたくなる理由の一つになっている。3月に発売になる EOS kiss Digital X2 は、1220万画素に増えている。

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