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 No.427

三輪 薫(みわ かおる)


No.427 『写す』/「風光-V」展 2008/3/14

今月19日から25日まで「風光-V」展を、有楽町駅前の東京交通会館7Fにある京セラ・コンタックスサロン東京で開催する。今回の個展は26回目だが、コンタックスサロンでは1985年に開催した初めての自然風景による「風光」展以来13回目となる。

今回の「風光-V」展は2006年に開催した「ファインプリント展-IV」と同様に、銀塩プリントと伊勢和紙デジタルプリントとのコラボレーションで行う。銀塩カラープリント/19点(画面サイズ:四つ〜全倍)はインターネガを作り、ネガクリスタルペーパーで、僕のカラー個展の全てをお願いしているPGL(フォトグラファーズ・ラボラトリー)でプリントした。伊勢和紙デジタルプリントは2カ所で行い、14点(画面サイズ:A3〜長辺/1,900mm)展示する。

今回は新たに完成した手漉きの大判/伊勢斐紙 風雅 二枚重ね 四八判(外寸:1,100mm×2,400mm)による作品が3点あり、和紙は多様な銘柄を使い分け、全倍も3点(吊り/2点、額装/1点)展示する。伊勢和紙のデジタルプリントは全て堀内カラーのドラムスキャナでデータ化したが、HASSELBLAD Flextight X5 / Nikon SC 9000ED でも行った。

当方でも9点プリントしたが、大判和紙プリントは15日〜16日に開催される「全和連「手すき和紙フォーラム」in Kyoto 2008」(京都/池坊学園1F アートフォーラム/ギャラリー)での展示もあり、伊勢和紙製造元の大豐和紙工業(株)社長の中北喜得さんにお願いした。1月末からテストプリントを繰り返し行い、最終プリントは先週伊勢に行き、数日の立ち会いを経て行った。畳1枚分を軽く超える画面サイズの、しかも手すき和紙によるプリントは想像を超える難しさだったが、今日完成したと連絡を受けた。京都では、8×10インチ判カメラで撮影の、伊勢斐紙 風雅 二枚重ね 四八判にプリントしたモノクロ作品も展示する。

銀塩カラーペーパーもダイレクトタイプが主流になって久しい。しかし、優しく美しい色合いや滑らかで豊かなグラデーション再現を期待するため、リバーサルフィルムからインターネガを作り、ネガカラーペーパーでプリントし続けてきた。今回も同様である。だが、このインターネガも一昨年製造中止になっている。この方法でのカラープリントによる個展は、残念ながら今回が最後になるかも知れない。以後のカラー個展は、銀塩ペーパーを使うラムダタイプか、インクジェットプリンタによるものか、多少不満でもダイレクトプリントになるだろう。そのダイレクトプリント用のペーパーも、何時まで製造されるのか不安だとプロラボの方が言っていた。銀塩プリントの行く末は厳しい。

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