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 No.431

三輪 薫(みわ かおる)


No.431 『車』/実用車 2008/4/15

初代デリカ4WDは撮影用に改造し、8ナンバーを取得して乗っていた。しかし、天井が低く、度々頭をぶつけ閉口ものだった。9年乗って壊れてしまい、デリカスペースギアに買い換えた。購入時にはハイルーフと初代デリカ4WD同様のマニュアルミッションを希望したが、ガソリンエンジンにはそのタイプがなく、ディーゼルエンジンを選んだ。この車は11年乗り続け、2年半前に手放した。ディーゼルエンジンだったため排ガス規制により神奈川県では車検を受けることが出来なくなったからである。しかし、排気ガスの黒煙を吐かないように度々整備を繰り返していて、巷で非難されるような排ガス/黒煙は走行時には吐かないようにしていた。初代デリカ4WDと違ってボディーに錆止めをされているのか、11年乗っていても朽ちた感じはしなかった。勿体なく、茨城県に住む生徒さんに乗ってもらうことにした。現在もきびきびと走っているから嬉しい。勿論、僕が後ろを走っていても黒煙は見られない。

20年4WD車を乗ってきた身には、前輪駆動とはいえ憧れだったVW T-4 キャンピングカーの駆動力はデリカとは比べようがない。特に冬は気を使うが、4WDタイプのVW T-4 キャンピングカーはほとんど輸入されていないようだ。冬以外では実に快適な車で、何故もっと早く中古の車を捜さなかったのかと悔やまれたほどだ。しかし、車にとって最も大変な積雪やアイスバーンでの走行には、やはり4WDが実用車である。パサートを購入するときにT-4への買い換えを決めていたら絶対4WDに拘っていたと思う。

デリカスペースギアの外観は、初代デリカ4WDの無骨なデザインが気に入っていたので、最後まで好きになれなかった。しかし、国産の1ボックス4WD車で、実用の撮影専用車としてこの車以外には選択できなかったのだから仕方がない。現在のデリカD5がどれほど屈強かは分からないが、多分国産の1ボックス4WD車では今でも最高の車だろう。車幅もデリカスペースギアより10センチ広くなったことだし、現在乗っているVW T-4 がダメになって、デリカD5がT-4と同様なキャンピングカーに改造できるなら、迷わず選択するだろう。現在市販の新型VW T-5キャンピングカーは1,000万円もして、買えないからだ。

僕が子供の頃には、車はステータスだった。だから「いつかはクラウン」というコピーにも納得できた。しかし、今や車を持たない郊外に住む人は少なく、もうステータスで選ぶ時代ではなくなっていると思う。車も長年愛用できる道具として考えるほうが賢明だろう。だからこそ選択には拘ってしまう。車を見ると持ち主の人柄も想像できるような気がする。面白いものだ。

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