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 No.432

三輪 薫(みわ かおる)


No.432 『車』/VW T-4 の良い点と問題点 2008/5/1

2005年7月に入手した超中古車の VW T-4 だが、長い日数を連続して乗る機会は少なかった。11月にやっと8日間乗る機会を得て、2,200kmほど走った。13年落ちとは思えない安定感と運転疲れのないことに改めて驚きを隠せなかった。2006年の5月と10月にもそれぞれ2週間ほど出掛けることが出来た。車幅が185cmとデリカスペースギアより15cm広く、重心も低いようで安定感がある。前席シートには両側にアームレストがあり、高速道路ではクルーズコントロールで速度をセットし、軽くハンドルに手を添えながらのんびり走行を楽しんでいる。作りの良いイスは身体をしっかりサポートしてくれる。運転席のイスをほぼ背筋を伸ばした状態にセットしているのも、長距離の運転には疲れを生まない要因になっていると思う。結婚した30数年前に2ドアタイプの三菱セレステで北海道へ行ったことがある。急に思い立って行ったので往復ともフェリーの予約が出来ず、10日以上 3,000km くらい走り続けた。杉並のアパートに帰宅したときには足腰の疲れがピークに達していて、よろけてしまった。スポーツタイプ的な低く沈み込むシートとマニュアルミッションだったからだろう。

デリカスペースギアの床は基本構造がパジェロと同じだからか随分高くなっている。それに比べVW T-4 の床はかなり低く、その割に最低地上高はしっかり確保されていて、4WD車並か、もっと高いかも知れない。撮影では平坦な道ばかりではなく、助かることも多い。VW T-4 の 2.5Lのガソリンエンジンは、2トンを越える車体には少々頼りないが、トルクが大きいようで意外や力強く走ってくれる。平坦な道では、3速に入れていても1速と勘違いしてしまうように発進する。しかし、車体に対して馬力不足のため高速などでの加速感は望めないし、山道での走行には少々不満が残る。「のんびり行こうよ!」の心境で運転しないとストレスが溜まってしまう。だが、面白いことに、この車のハンドルを握っていると、何故か心がゆったりして、ユックリ走ることの快感を覚える。不思議な車である。

しかし、この車のヘッドランプの暗さには閉口していた。明るい街灯がある道路ではヘッドランプをつけ忘れたのかと勘違いし、後ろに車が迫ってくると、何と自分の車の影が目の前に現れ情けなくなってきたものだ。照明が点在しているトンネルでもヘッドランプの灯りを認知できないと思うくらいで、暗いトンネルでは対向車が来ると眩しくて左側の壁面も十分確認できないほどである。昼間の運転は実に快適で疲れないが、ライトが必要な夜の運転は暗闇の中くらいしか安心していられなかった。入手した年の2005年12月に師匠の紹介で同じ車に乗っている横浜の方に来て頂き、HIDのヘッドランプに交換していただいた。このHIDランプには本体が合わず、師匠にお願いしてドイツから取り寄せてもらった。お陰で夜道でも快適である。

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