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 No.433

三輪 薫(みわ かおる)


No.433 『車』/VW T-4 の良い点と問題点-2 2008/5/5

VW T-4の愛用者の多くが、ATシフトレバーに不満を抱いている。各レンジにスムーズに入らないからである。特にDレンジから、3速に入れようとすると、間違いなく2速に飛んでしまう。各レンジの間隔が実に狭いのだ。また、イスの座面に対してレバーの位置が低く、シフトチェンジの度毎に身体を傾けなくてはならない。ドイツの人だって背が高く腕が長い人ばかりではないと思うので、メーカーの設計姿勢には疑問を感じてしまう。

しかし、この車は前輪駆動だが実にハンドルの切れが良く、475cmの長さでも意外や小回りが利く。しかし、ハンドルを一杯に切ると「キーキー」と鳴く。ワーゲン特有とは思いたくないが、以前乗っていたゴルフワゴンも同様で、ドイツ車には多いと聞く。イスの座面は高い方だが、167cmの僕の身長ではハンドルの角度がもう少し手前を向いて欲しい。チルトタイプではないので、僕よりも背の低い妻が運転する時には、トラックのハンドルを回している感じに覚えるかも知れない。

電気系統も独特である。キーを抜いてもラジオが鳴るしシガーライター用のソケットも通電している。ヘッドランプが点灯状態でキーを抜いてもブザーは鳴らなく、車から離れるときにはバッテリー上がりに繋がりかねないので注意が必要である。最近の至れりつくせりの仕様に慣れた身には、数十年前に戻った気分にならないと、トラブルを抱えてしまうだろう。

キャンピング仕様だからかドアと連動した室内灯は前席にしかない。停車して後席の荷物などを扱うには、いちいち後席のスライドドアから結構離れた位置にある蛍光灯のスイッチを押すことになる。これは意外と面倒で、後ろとはいえドアを開けたら点灯するランプを付けて欲しいものだ。昨年、単三乾電池で点灯する24個のLEDランプをネットで見つけ、妻が100円ショップで同様の豆球/プッシュ式タイプを見つけてくれて共に購入した。ハッチ式の後部ドアの前とスライドドア付近にそれぞれ2個装着して現在は快適である。

この車の定員は一応5人だが、後席のイスはベッドスペースになるため座面と背もたれは平坦で、一般の車のようにバケットタイプや、それに近い形状にはなっていない。長距離乗っていたら、かなり疲労感を覚えるはずだ。キャンピング仕様のこの車は、前席の二人用と割り切ったほうが賢明だろう。そう言えば子供達が大学に入ってからは、8年間ほども車では一緒に旅をしていない。

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