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 No.438

三輪 薫(みわ かおる)


No.438 『写す』/プリントの重要性 2008/6/24

Digital時代になって作品を創るために撮る行為よりも、プリントなどの後処理を重視しする風潮が増えているように思う。作品あっての後処理なのだが、何だか順序が逆のような気がする。銀塩写真のカラーではプリントをラボに委託していたのに比べ、デジタルフォトは大半がインクジェットプリンタによる自家処理になっている。昔の一時期、銀塩の黒白写真は自家処理が主だったのと似ているような気がする。しかし、この黒白写真の自家処理時代には、身近に気軽に作品プリントを頼めるモノクロ専門のプロラボが少なかったからだろう。

特に個展レベルの銀塩カラープリントは、今も昔もプロラボに依頼するのが大半である。インクジェットプリンタの普及によってデジタルプリントの自家処理が多くなってきているが、せいぜい半切くらいのA3ノビサイズに止まっている。全紙や全倍に相当するサイズのプリンタを所有している人は僅かである。しかし、まだまだ巷のインクジェットプリンタによる作品プリントを依頼できるプロラボが少ないのも事実である。

銀塩のように特定の印画紙にしかプリントできないのと違って、インクジェットプリンタはプリンタに通れば何でもと言ったほどにプリントが可能である。しかし、実際には銀塩の印画紙のようなフォト紙に出力している人が多いのは何故だろう。勿体ない気がする。折角銀塩とは違うことが出来るのに、銀塩の延長としか捉えていない人が多いのに疑問を感じている。

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