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 No.457

三輪 薫(みわ かおる)


No.457 『写す』/湘南4人展 2008/11/29

秋の季節には写真展への拘わりが多くなるが、26日まで四ッ谷駅に近い「ポートレートギャラリー」で、僕が専任講師をしているキヤノンフォトクラブ湘南の有志4人が写真展「紡ぎだされた風景たち」を開催された。デジタル全盛の現在であるが、全員フィルム撮影の作品で、プリントは僕のカラー個展の全てをお願いしている赤坂のPGL(フォトグラファーズラボラトリー)に依頼した。作品内容もプリントの出来映えも素敵である。

グループ展の大半は1人1点の出品が多いが、今回は4人展で会場も広いため、全紙や全倍も含め1人10点平均展示している。監修者として、本人の意向を踏まえながらも、4人それぞれの個性を引き出す作品セレクトや会場構成をした。これだけの点数があると、その人なりの作風や個性なども作品から感じることができる。個展開催はちょっと大変と思っている人達にはお勧めの開催形式だと思う。また、4人全員が自然風景を撮っていて全てカラー作品だが、作風は様々で、監修者としても面白い展開になったと自負している。

残念なのは、出品者の一人が開催を待たずに他界されてしまったことだ。写真表現の特質であるブレやボケなどを作画と表現に生かした作品で、一風変わった作風に感じたかも知れない。クラブ例会時にアドバイスしている中で、他の人とは一味違う面白い描写を見つけ、深く追求してみてはとの進言に本人もその気になって撮り続けてきた作品である。願いや期待は個展開催だったが、病魔には勝てずにお亡くなりになった。何とかこの写真展は本人に見ていただきたかったと残念に思っている。

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