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 No.472

三輪 薫(みわ かおる)


No.472 『写す』/PIE(PHOTO IMAGING EXPO 2009)-2 2009/4/1

久しぶりに PIE を体験し、今回は伊勢和紙ブースのお手伝いやシュリロブースでのハッセルフォトクラブのセミナーもあり、全日会場にいた。合間に他社のブースにも多少は回ったのだが、デジタル時代全盛となったことにより、見事に銀塩世界の器機などは極少数になっていた。しかし、カメラなどはかなり進化してしまったためか、目新しいものは発見できなかったような気がする。

そのような中では、伊勢和紙ブースが小さいながらも結構賑わっていた。僕の伊勢和紙作品を14点展示していて、まだ見慣れていない方々には和紙プリントに新鮮な驚きや関心を抱いてくれた方が多かったようだ。デジタルプリントのメディアとしては、和紙はまだ多くの方に愛用されているわけではないので、新たな作品創りには将来性がある。一方で、新たな画材紙や銀塩のバライタ印画紙に似たトーン再現が出来る用紙が次々と出てきたことには、和紙とは違う関心を抱いてブースを回っていた。

今回、シュリロブースなどに展示していた作品は、3900万画素をメインとしたデジタルのHASSELBLADで撮り、エプソンの画材紙[UltraSmoothFineArtPaper]でプリントした。回りの展示作品と比べ僕の作品はインパクトや鮮やかさはないが、しっとりとした味わいを感じていただけたと思っている。まるで絵のようだとの感想を抱いてくれた方が多かったが、「カメラで描く」と言っているので当人にとって驚きはない。今回初めて高画素数のデジタルカメラで撮った作品を発表したのだが、このカメラの本領発揮は樹木などの木肌や葉のきめ細かな描写性よりも、御苗場ブースに展示していたスローシャッターで波をぶらして撮った海の写真のような描写のほうにこそあるような思いを抱いた。また、デジタルカメラにはレンズも無視できなく、レベルの高い描写性をもつレンズも必要だろう。最後の決め手はレンズだろうと思っている。高画素数のデジタルカメラで撮るには、よい描写性を持つレンズが不可欠であると確信を持った PIE だった。

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