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 No.479

三輪 薫(みわ かおる)


No.479 『写す』/デジタル撮影の画像保存と不安 2009/7/1

アナログ派と自認してきた僕も、いつの間にか撮影の大半がデジタルになってしまった。2001年春に EOS 30D を購入以来、徐々に小型カメラのメインが EOS Digital になり、フィルム撮影のメインがコンタックスRTSIIIなどと645、HASSELBLAD に移行した。しかし、その HASSELBLAD も昨年秋ころからデジタルがメインとなってしまい、後で後悔しないかと心配しながらもフィルム撮影は減るばかりである。

デジタル画像は撮影後、EOS 5D 以降は取り敢えず外付け HDD に保存し、その後、DVD-R 二枚にコピーしている。しかし、外付け HDD は何時壊れても不思議ではないと言われているし、数十年の保存は大丈夫と言われていた DVD も、数年で画像を取り出せなくなったと言う人もいる。アナログと違い、目に見えないものは安心できない。また、保存メディアも DVD からブルーレイに替わるのも近いだろうし、もっと別なものになる可能性も近い将来あるだろう。

2001年以来、デジタル画像を保存した CD や DVD の枚数は軽く1,000枚を超えると思う。この膨大な枚数を新たなメディアに移し替えるのも大変だし、実質不可能に近いのではないかと心配している。バブル時代にはコマーシャルの仕事をしたり、本命の作品創りでAランク以外のカットでもポスターやカレンダーなどのコマーシャルベースの媒体に使われ、それなりの稼ぎにも結びついていた。しかし、この不景気ではこれらの売り上げはビックリの少なさになっている。従って、日々稼ぐための仕事に追われ、デジタル撮影画像の撮影後の保存などの処理に時間を割かれ、よき時代のように気ままに作品創りに励む時間を多く得ることは難しい。

そのような日々の生活では、デジタル撮影した画像の整理を心ゆくままに行える時間がない。本来は、撮影後に全ての画像保存と同時進行で、フィルムでマウントするようにコマ選びをしておくのがベストだろう。分かってはいるのだが、これが常時出来ないでいる。だから、過去二回開催したデジタル撮影での個展では、作品セレクトだけでも、それぞれに1週間ほど掛かってしまった。デジタル撮影では大変なことも多い。

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