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 No.483

三輪 薫(みわ かおる)


No.483 『生きる』/中津川フォークジャンボリー 2009/8/7

8月1日に岐阜県中津川市の椛の湖野外ステージで、40年ぶりに復活した「全日本フォークジャンボリー(愛称:中津川フォークジャンボリー)」が開催された。このフォークジャンボリーは1969年から3年連続で1971年まで開催されたのだが、実は僕も会場にいたことがある。名古屋の写真学校で学び始めた1971年の夏、同級生の知り合いにステージ写真を撮っている人がいて、全てのステージではないが撮影できるとの話にのり、8/7-9の3日間参加した。というよりも、会場にいたというほうが当たっているかも知れない。

当時はモノクロフィルムさえ十分買える余裕があったわけではなく、会場での出店も可能と言うことで、仲間とフィルムを販売して多少は資金を稼ごうと考えた。先の知人の紹介で数人の仲間と一緒にフィルム会社に交渉に行った。富士写真フイルムには断られたものの、コニカには交渉成立。めでたく出店できることにはなったものの、店を作る資金もなく、掘っ立て小屋以下の屋台的な店を構えて売っていた。会場にはこのような粗末な出店が結構あったような気がする。しかし、当時としてもネガカラーフィルムは高く、そうそう売れるものではなかった。また、夜も野営状態で、確か地面にごろ寝をしていたように記憶している。夜半に雨も降り、大切な商品であるフィルムを守るために身体がびしょ濡れになって慌てたりしたのが懐かしく思い出される。

当時の僕は本物の田舎人間で、フォークに酔いしれていたわけでもなく、フォークシンガーにも詳しくなかった。現在ネットで検索し、当時に出演していた人たちをみると実にそうそうたるメンバーで驚いている。実はステージの間近で眺め、撮影しながらも日野皓正さえ知らなかった。

http://ja.wikipedia.org/wiki/全日本フォークジャンボリー

1971年の出演者は「あがた森魚とはちみつぱい(鈴木慶一、鈴木博文、本多信介、渡辺勝)、浅川マキ、五輪真弓、遠藤賢司、岡林信康、加川良、金延幸子、かまやつひろし、カルメン・マキ、ガロ、はしだのりひことクライマックス、斉藤哲夫、ザ・ディランII、シバ、シュリークス、高田渡と武蔵野タンポポ団、Dew、友川かずき、友部正人、中川イサト、中川五郎、なぎら健壱、長谷川きよし、はっぴいえんど、日野皓正クインテット、ブルース・クリエーション、本田路津子、三上寛、ミッキー・カーチス、安田南、山平和彦、山本コータロー、吉田拓郎、乱魔堂、六文銭、その他」で、改めてビックリしている。

確か夜のステージだったか、ステージの袖で撮影していたとき、こちらも夢中になってつい中央近くでカメラを構えたことがあった。ステージの下で聴く側も興奮状態に陥っていて、歌手の傍でカメラを構える僕たちがステージから引きずり下ろされそうになったこともあった。全てが懐かしい思い出である。

1969〜1971年開催の企画、運営に携わり、今回復活させた笠木透さんは70歳を過ぎた現在も現役のフォークシンガーである。中津川市の地元に暮らしながら、年間100回以上も全国でコンサートを開催しているという。この活力には勇気づけられる。

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