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 No.490

三輪 薫(みわ かおる)


No.490 『生きる』/受益者負担の原則 2009/10/10

政権を取った民主党が掲げる高速道路の通行料金の無料化には賛成できない。ただでさえ週末などの何処まで走っても1,000円の自民党がつくったシステムで、週末の高速道路は大渋滞で、経済界に影響がないとは思っていない。何故自民党は大半遊びで利用の自家用車のみを対象にし、現在不景気の経済界に活性化を生むだろう流通のトラックやバスなどを対象にしなかったのか全く理解できない。民主党も受益者負担の原則を守り、貫いて欲しいものである。

企業献金に見切りを付け、一票を投じてくれるかも知れない国民にすり寄った愚作だろうと思っている。このようなアイデアしか思いつかなかったからこそ、選挙民があきれ、与党を民主党にゆだねたと思っている。しかし、民主党は第二の自民党との認識を変えることができず、好きではない。だからといって、自民党に替わる政党もなく、仕方なく民主党を次期与党に選ぶしか選択の余地がないのだろうと、選挙日前に予測していた。

以前、8,000円の割引が得られる5万円の高速道路のプリペイカードを年間に6-7枚買ったことがある。当時には、これほど高速道路を走ることが多かったが、無料化して欲しいとは思ったことがない。何故かと言えば、受益者負担の原則からは、借金まみれのツケが高速道路を走らない人まで負担を強いられることが分かっていたからである。しかし、現実には通行料金は外国に比べ高すぎるとの思いはある。償却性のよくない道路計画は見直す必要があり、作る意味も見つけられない。それでも作って欲しい地方の自治体があれば、都道府県の予算を優先して全額負担で作ればよいことであり、国に求めるべきことではないだろう。償却効率のよい道路は無料化ではなく、早く安価な料金に修正すべきだと考えている。何事も受益者負担の原則でよいと思っているからだ。

写真の愛好家のクラブ運営でも、受益者負担の原則を貫くべきである。特にメーカークラブに関しては、近年会社の存続自体が厳しくなり、クラブ運営も自ずと厳しく扱われる時代になっている。そのような現実も認識せず、バブル時代と同様に当然のように援助を求め、その求めに本部が応じないと文句を言うクラブもあるような気がする。しかし、その考え方は間違っていると思う。僕が知るキヤノンフォトクラブでは、会員が多い在京や近郊のクラブに比べ、会員数が少ない地方のクラブのほうが実質の援助が多いことを知らないクラブが多い気がする。以前、地方のクラブの方から在京クラブを優遇していると聞き、計算したことがあった。地方には都市圏のようにプロが少なく、都市圏のプロに例会作品の通信添削を無料で本部が提供している。このフォローを計算すると、会員一人当たりの補助金は都市圏のクラブよりも地方のほうが高く設定されている。だから、地方のクラブが文句を言うのは筋違いで間違っていると思うが、如何だろうか。本部はこの現実を文句を言う地方のクラブにしっかり伝えるべきである。

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