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 No.491

三輪 薫(みわ かおる)


No.491 『生きる』/エコカー減税の疑問 2009/10/20

TVを見ていると、自動車メーカーのコマーシャルにエコカー減税をアピールしたものが氾濫するほどに流されている。車は地域によっては生活の必需品であるが、だからといって全戸の人たちが所有しているとは思えない。また、生活必需品としては結構な価格の高級車に属するタイプでも減税の対象になっているのは何故だろうか。減税対象は、せいぜい150万円以下のタイプで十分だと思うが、如何だろうか。ここのところ若者に車を買う人が少なくなっているらしい。いや、買いたくても買えない時代なのだろう。だからか、自動車メーカーにすり寄った減税を無関係の国民にその負担を強いるのはどうかと思う。そのような税金があるのなら、日本の産業を支え続けてきた中小企業や本当に生活に困った人たちにこそ、手をさしのべるのが本筋だと思っている。

車を買う特定者のみを対象にした減税対策など全く不要である。車を持たない人が収めた税金もこれらに使われることになるからだ。高速道路の通行料金も同じで、無料化したら走らない人まで走る人の分を負担することになる。これはおかしい。こんなことを当然のようにされるならば、合法的に節税したくなってくるのは僕だけではないだろう。何とか安全安心に生活できるならと、節税には無関心で、できることなら少しでも税金を払うように努めてきたが、もはやそのような気が起きなくなってきている。

日本人は、もともと物を大事に扱い、使う習慣があり、根付いていたはずだ。しかし、車も家電製品も、家電製品と化したカメラなどのデジタル機器も、消費物のように次々と買い換えることが美徳のようにさえなっている。これはちょっと変である。僕の撮影用の車は現在新車登録から18年目を迎えているが、歓迎されるどころか、避難の対象になっているのかも知れない。まあ、自己責任で維持しているのだから、誰にも文句は言わせないが。

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