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 No.493

三輪 薫(みわ かおる)


No.493 『写す』/デジタルカメラの画素数 2009/11/10

昨年秋からデジタルのHasselblad でも撮影を始めている。カメラ一体型では3900/3100万画素、デジタルバックは3900/1600万画素である。ハッセルデジタルの受光素子はCCDで、H3DIIは48×35mmあり、35ミリフルサイズの約2倍ある。ハッセルならではのスクウェアサイズのデジタルバックCFV のCCDは36×36mm で、1600万画素である。

秋以降、様々な機種を使い分けてきたが、最も気に入っているのが画素数の少ないデジタルバックの Hasselblad CFVである。画面が真四角ということと、CCDの面積に対して無理のない画素数であることに惹かれている。小型カメラでの撮影の大半がデジタルになってしまった今、露出やピントもマニュアルで合わせるHasselblad 503CW とこのデジタルバックを組み合わせて撮ると、まるで銀塩フィルムで撮っているような気分になるから不思議である。

デジタルカメラの画素数は高くなるばかりで、最近のデジタルHasselblad は何と6000万画素である。愛用の小型デジタルカメラEOS 5D Mark II はフルサイズで2210万画素。一体どれほどまで画素数が増え続けるのだろうか。しかし、デジタルカメラが高画素になり続けるのを期待してはいない。もう、この辺りでよいのではないかと思っている。超画素数になると、本来自覚して見えない部分も克明に写ることになり、使い方によっては生活を脅かされる画像ができるかも知れない。ちょっと、いや、結構心配になる。

2001年に初めて買ったEOS D30 以来、銀塩フィルムに比べデジタル画像の平坦な写りが気になっている。かなり進化した現在でも、立体感や奥行き感の再現性では、フィルムと比べてみるとかなり近づいたとはいえ、デジタルが絶対優れているとは思えない。もうそろそろ画素数を多くすることよりも、そのものらしく写ることへの研究に邁進して欲しいと願っている。車も同じで、モデルチェンジするたびに排気量や馬力などが上がらないとユーザーは満足しないことが多いだろう。しかし、最近の欧州の車はハイブリッドカーでなくても排気量が少なくなりつつあり、エコに向かって開発されている。といっても、性能が落ちているのではない。Volkswagenの車は、いまや1400ccが主流となっているが結構燃費もよく走りにも不足はないと聞いている。カメラもそのような方向に向かってほしいものである。

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