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 No.494

三輪 薫(みわ かおる)


No.494 

昨年の秋から撮り始めた Hasselblad Digital では、3月のPIEでの展示用に初めてプリントした。驚いたのがフィルム同様ではないかと思うくらいの立体感が引き出せたことである。モニター画面で見ていても、他のデジタルカメラで撮ったものとは一味も二味も違う。1600万画素のデジタルバック Hasselblad CFV でもビックリの再現性だった。

CFV以外は小型ベンツが買える価格だからと言ってしまえばそれまでだが、小型のデジタルカメラに比べ超高額なのは製造数が全く違って少ないからでもある。同様に売れているならば、現在市販価格の1/3くらいにはなると思っている。中判デジタルカメラはまだまだ一般的ではないが、安価になれば愛用者も増えるだろう。HOYA株式会社のPENTAX 645 は製造中止となってしまったが、デジタルカメラとなって発売されるとの話も聞こえてくる。噂では100万円を切る価格とか。発売されたら、コンタックス RTS シリーズのレンズを EOS Digital で使っている人がいるように、Hasselblad ユーザーもボディーのみを買い、アダプタで手持ちのレンズを活用するかも知れない。

しかし、HASSELBLAD の愛好者にはHASSELBLAD信奉者が多いので、 Digital PENTAX 645 を買う人は少ないだろうし、CFV が安価になるのを願っているかも知れない。毎回借りて使っている僕も同じだ。

今僕が欲しいのは、高性能なデジタルカメラよりもドラムタイプのフィルムスキャナである。昨年 Nikon SUPERCOOLSCAN 9000ED(120タイプ)を買ったが、もう少しハイレベルのタイプも欲しい。デジタルカメラの進化はまだまだ続き、かなりのレベルまで来たとは言え、発展途上にあるのは確かである。それに比べ、衰退の一途を辿っているとはいえ、フィルムの再現性への期待感が衰えたわけではない。同じデジタルプリントを作っても、今の段階ではフィルムをデジタルデータ化したほうが僕の期待を受け止めてくれる気がする。2003年以降、デジタルプリントを展示した個展を7回開催してきたが、デジタル撮影のは2回のみで、大半がフィルムをデータ化してプリントしている。

その点を考慮しても、1600万画素のデジタルバック Hasselblad CFV で撮った画像の素晴らしさは一目置く価値がある。何故なのだろうか。デジタルにそれほど詳しくない僕にはよく分からないのだが、レンズにも大きな要因があるような気がしている。かなり以前から小型デジタルカメラにアダプターを介して Leitz やCarl Zeissのレンズを使った撮り比べがサイトなどで報告されている。やはり違うのだという見解が全てであると言ってもよいほどに多い。Hasselblad Digital の写りのよさは、銀塩同様にCarl Zeissレンズが支えているといっても過言ではないだろう。

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