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 No.495

三輪 薫(みわ かおる)


No.495 『写す』/デジタルカメラの画素数と写り-2 2009/12/15

昨年6月に家族が還暦祝いにとコンパクトのデジタルカメラ LEICA D-LUX 3 をプレゼントしてくれた。以後、このカメラを持ち歩き、レトロっぽい皮のケースもお気に入りで、ベルトにケースを通して楽しんでいる。いや、本気で作品創りをしている。コンパクトなデジタルカメラとはいえ、Leitz での描写性は一味違うからだ。

このカメラはRAW も撮れ、RAW を選択するとサムネールのjpg 画像も付いてくる。RAW 画像は1,000万画素であるが、このサムネールのjpg 画像もなかなかのもので、20inchのディスプレイ一杯にして眺めてもビックリの画像である。アサヒカメラの9月号の特集「黄金分割」では、名刺くらいのサイズで掲載と、このサムネールのjpg 画像で入稿した作品が、何と見開き掲載になってしまった。データ量として心配だったので、編集部に尋ねてみたら、「大丈夫でしょう」とのことで、送られてきた本を見ても、まずまずのものだった。

LEICA D-LUX 3 がお気に入りなのには他にも理由がある。まず、結構コンパクトであること。そして、ボディーの手触りが実にいい。以前、コンタックスのTVS を手にとって思わず注文してしまったのと似ている。TVSはチタンだから手触りがいいのは当然だが、この LEICA D-LUX 3 もとても感触がよい。また、当然ながら LEICA の赤いマークが可愛い。スイッチを切った時には、液晶画面にもこのマークが出る。遊び心があっていい。一番のお気に入りは1,000万画素のフル画面がハイビジョンサイズの[9:16]であることだ。

何故か、国産のコンパクトカメラは、いまだにブラウン管TVの比率[3:4]や35ミリ判の[2:3]が多く、最大画素数をハイビジョンサイズの[9:16]にしているものは発売されていないないような気がする。我が家のTVはまだブラウン管タイプだが、現在では自宅で観ているTVの多くがハイビジョンサイズになっている時代なのに、時代遅れも甚だしいと感じている。ハイビジョンサイズの[9:16]に撮れてもトリミングされた状態になり、画素数が生かせないのは残念である。映画では[1:2.4]の超ワイドの画面が当たり前として受け入れられている時代だ。

ハイビジョンサイズの[9:16]は見慣れた35ミリ判よりも細長いだけにお洒落に見え、特に縦位置で撮ると掛け軸のような作画になって面白い。 LEICA D-LUX 3 の欠点は、コンパクトカメラなのでCCDが小さく、暗いライティング条件ではノイズが大きいことで、明るい状態でしか使う気にならないのが残念である。

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