Toppageへ
 No.498

三輪 薫(みわ かおる)


No.498 『生きる』/2010年をいかに生きるか 2010/1/1

今年はフリーになって29年目を迎える。写真の修行中だった26歳で結婚し、フリーでは食べる当てもなく、名古屋で学んでいたデザイン学校の写真学科の母校「日本写真専門学院」教務課に勤めた。7年半後、突然退職したのでまたもや生活の当てもないままに、もう勤めはご免と食えないフリーになった。挙げ句1年近くたいして働くことなく過ごしていた。当然ながら妻には何度も泣かれ、両方の親や義理の兄にも随分お世話になった。ただし、楽天家で無頓着な僕には、迷惑を掛けているという意識はなかったと思う。今振り返ってみればこの1年間は僕の人生の中ではとても貴重な日々だった。生活を支えるための仕事はせず、作品創りに没頭していて、フリー2年目には個展を2回開催した。

写真学校に在職中、当時写真家の登竜門と言われていた銀座ニコンサロンで初めての個展を開催し、フリーの2年目はがむしゃらに働き、何と2回目と3回目の個展を開催した。1980年代には5回、1990年代には8回、2000年代には12回の個展を開催してきた。2010年代初年の今年は、昨年3月に開催の「ファインプリント展-V」の巡回展が今月10日から伊勢和紙ギャラリーで始まる。

しかし、僕の作品発表のベースになっていた「京セラ・コンタックスサロン」が昨年3月で閉館になってしまい、個展開催をメインに活動してきた僕には、今後はどうすればよいのかと考え込んでしまう。個展の大半をメーカーギャラリーに頼ってきた今、年々少なくなるギャラリー事情に対し、不安は尽きない。いや、今まで数多く開催できたのがラッキーだったのかも知れないと思っているのも事実だ。50歳から61歳まで14回の個展開催と突っ走ってきて、ここ数年はまた充電期間と定めているので暫くは大丈夫だが、その間にもギャラリー事情がよくなるとは思えず、益々悪化してきたら一体どうなるのかとさえ思ってしまう。まあ、成り行きに任せるしか選択の道はないが、、、。とはいいながらも、これまで目標を定め何とか実現させてきたので、これからも何とかなるのではとの楽観的な考え方を抱いてしまう。

個展をメインな作品発表の場として活動してきたが、自分一人で出来るわけではなく、多くの方々の支えで開催してきた、開催できたことは事実である。長年夢見てきた和紙プリントによる作品創りや個展開催も同様である。人生は後悔のないように楽しく生きてゆきたいと思っていて、自分だけではなく、周りの人たちと楽しく過ごすことが出来れば嬉しい。主宰する全国組織の「わの会」も12年目を迎えている。

今年も楽しく充実した一年になりますように。よろしくお願い致します。

戻る