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 No.507

三輪 薫(みわ かおる)


No.507 『生きる』/もったいない 2010/3/25

40年前に上京し、転々と移り住み、現在のところに引っ越して来てから30年近くなる。建て売りの家を10年後に改築したのは 8×10inch 判の引き伸ばし機を導入した暗室を確保したかったからだが、設計を間違えて決して使いやすいとは言えないまま我慢して過ぎてきた。暗室処理にのめり込みすぎた健康上の理由で、この暗室は普段は書斎になっている。暗室ではあるが、通気性を考え3カ所に窓がある。仕事場の20数畳の別室にしても使い道を欲張ったせいで、今や中途半端なものとなり、倉庫以上に物が溢れてしまっている。思い切って改造したいのだが、時間も費用もなくそのまま随分過ぎてしまった。実に「もったいない」スペースである。この「もったいない」という貧乏根性が今すぐ必要とは思えない物を処分出来なくしており、物が溢れる一方なのだから困ってしまう。

コンビニエンスストアも文化の中心地の銀座に進出した頃には違和感を覚えたが、現在では目に付くことも当たり前となってしまい、何故か以前のような違和感を余り感じなくなっている。撮影で郊外や田舎に行くときなどは、重宝することのほうが多い気がする。しかし、このコンビニで廃棄される賞味期限切れの食べ物は、1店舗当たり年間で数百万円近くなると聞いたことがある。まだまだ食べるには大丈夫と思う食べ物も、神経質になって賞味期限を短くしているのではないかと思ってしまう。実にもったいない。

また、撮影会やツアー、個人的な撮影で年間数多くホテルや旅館に泊まるが、出される料理の多さには閉口する。普段どちらかと言えば少食なので、旅先だからと言って連日のように普段よりも多く食べることは無理で、かなり残してしまうこともある。これももったいない。多忙な日には二食のことも結構あり、だからといって常時ひもじさを感じている訳ではなく、身体も正常に動いている。少食よりも大食のほうが身体によくないのではないだろうか。少なく食べ、多く動くエコな生活が理想だろう。省エネ的な食生活で過ごしていればメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)などあり得ないことだ。

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