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 No.513

三輪 薫(みわ かおる)


No.513 『生きる』/車内の携帯電話 2010/5/25

電車に乗ると車掌のアナウンスで「乗車中の携帯電話のご使用はご遠慮下さい」との言葉がいまだに繰り返し聞こえてくる。携帯電話は電波の届く限り何処にいても送受信できる便利さがある。だから急激に愛用者が増えてきたはずだ。緊急の連絡には携帯電話ほど便利なものはない。しかし、携帯電話機を車内で使うことを否定されると、緊急の連絡を受けることさえ非難されてしまうことにつながる。携帯電話の利便性を考えると実に変なことである。

疑問に思うのは、小声でも携帯電話機で話している人には嫌みな視線を送られるが、大声で話す人がいても大半知らん顔である。車内で携帯電話を使用している人を注意し、された人が怒ってのトラブルもあるようだ。携帯電話の小声で話している姿は独り言をぶつぶつ言っているのと似ていて、冷静に眺めていると変な光景なのは確かだ。しかし、一方的に非難するのではなく、状況で判断する良識を持ちたいものである。電車内での携帯電話の通話禁止の一般常識を守るとビジネスチャンスを逃してしまう人もいるかも知れない。勿論、シルバーシート辺りでの電源OFFは常識である。

他の席などで回りの人達に気遣いしながら話すのなら構わないのではないだろうか。それよりも車内で勝手気ままにわいわいがやがやと騒ぐグループや、キャーキャー言っている子供を注意しない親などのほうが気になる。

車内での携帯電話の通話を一方的に悪としない気持ちの余裕があってもいいだろう。それを打ち消すのは長年にわたって携帯電話禁止のアナウンスを何度も何度も繰り返し、大音量で垂れ流す車掌のアナウンスだ。もう、いい加減にして欲しい。海外の地下鉄で車掌のアナウンスが全くと言ってよいくらいないところがある。実に静かで気持ちいい。過剰なアナウンスを繰り返す車掌こそ常識をわきまえる教育を受けるべきで、それを指示している上司は尚更である。

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