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 No.515

三輪 薫(みわ かおる)


No.515 『創る』/手漉き伊勢和紙とスキャナ 2010/6/15

昨年3月に閉館寸前の京セラ・コンタックスサロン東京で「ファインプリント展-V」を開催後、数年は個展開催を休もうと決めた。それまでの10年間で10数回開催してきたからで、暫く自分の個展は一休みしてのんびり撮影に専念したいと考えたからである。

しかし、昨年8月の暑い最中、日本橋の小津ギャラリーで伊勢和紙の大豐和紙工業(株)が写真展を企画し、3月の個展作品から抜粋のミニ個展と、主宰するフォトワークショップ「風」展を開催した。真夏の閑散期と思っていたのにギャラリー側も喜んでくれるほど多くの来場者があった。それが受けたのか、今回はギャラリー側の要請で、この会場での二回目の写真展を開催することになった。昨年同様に僕の個展とフォトワークショップ「風」展のコラボレーションで開催することにした。現在、プリント中である。

会場の壁面から計算し、僕の個展「樹風」の作品は半切額装を12点、四八判(1,100×2,400mm)の吊り作品を1点展示することにした。2008年に開催の「風光-V」展から手漉き伊勢和紙の表現の可能性に取り憑かれていて、今回も大半を多銘柄の手漉き伊勢和紙でプリントするつもりである。2007年に銀座のキヤノンギャラリーで「花逍遙-II」展を開催したときに本格的に取り組み、昨年の「ファインプリント展-V」でも展示した落水仕様の和紙も使おうと思っている。

今回選んだ作品は中判カメラのハッセルブラッドでフィルム撮影したものである。真四角のお洒落な画面比率が好きで6×6判も数機種愛用しているが、メインはハッセルブラッドである。ハッセルブラッドで撮影した作品のみで個展を開催するのは二度目で、今回の個展も楽しみにしている。

「ファインプリント展-V」の作品も元画像は全てフィルムだったが、データ化にはNikon SUPERCOOLSCAN 9000EDを使用した。しかし、「風光-V」展の伊勢和紙プリントでは、Nikon 9000EDの他、シュリロが輸入しているフレックスタイト、堀内カラーのドラムスキャナで全てのカットをデータ化した。そのとき感じたのはNikon の9000ED が価格の割には結構いいデータ化が出来ることだった。今回は半切額装の全てをNikon で、四八判のみ堀内カラーのドラムスキャナでデータ化している。

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