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 No.516

三輪 薫(みわ かおる)


No.516 『創る』/デジタル時代のアナログ 2010/6/25

写真界もデジタル全盛になってしまったが、僕はいまだにフィルムでも撮っている。デジタルは実体があるようで、ないに等しいとも思っているからである。また、少なくとも生きている間に全てのデジタル画像が、フィルムのように完璧に保存され、使えるかどうかの心配もあるからである。

デジタル機器は実に寿命が短いが、アナログの機器、特にメカニカルの機器は何時の時代でも修理が可能で、安心して使うことが出来る。画像も同じだと思っている。使い捨ての写真なら一向に構わないが、人生を掛け、作品として撮っている写真には、どのような状況になっても安心感を抱ける画像であって欲しいと思っている。その点、フィルムは確実に安心できる。

現在、EOS 5D で撮り始めた2005年11月からの大半の画像を外付けHDDに入れ、DVD-Rにも2枚ずつ保存している。他にデジタルのハッセルブラッドで撮影した画像や、LEICA D-LUX 3 の画像も外付けHDDに入れているが、1.5TBと2TBの各2台が満杯になってしまった。慌てて2TBの外付けHDDを2台用意した。外付けHDDは何時壊れても不思議ではないと言われていて、心配なので2台に取り込んでいる。

電子部品を使っているカメラは、その部品が世の中から消えてしまったら修理不能になる。しかし、メカニカルなカメラなら部品を作ることも可能だろうし、何時までも安心して愛用できそうだ。以前はワープロで原稿を書いていたが、今、書いた原稿をフロッピーから取り出したくても適わない。しかし、原稿用紙に書いた文章なら、何時の時代になっても読むことが出来る。やはり、アナログは素晴らしいと思ってしまう。

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