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 No.519

三輪 薫(みわ かおる)


No.519 『創る』/デジタル時代のアナログ-4 2010/7/25

和紙のデジタルプリントで展示した個展は7回開催しているが、デジタルカメラで撮影した個展は2回である。他は全てフィルムで撮り、データ化して大半伊勢和紙にプリントしてきた。和紙だけではないと思うが、プリントした画像から感じるものがフィルムをデータ化したほうが豊かであるような気がするからである。勿論、全てに当てはまる訳ではなく、元画像も作画目的で使い分けるのがベストだろう。8月2日から日本橋の小津ギャラリーで始まる個展は、全てフィルム撮影である。

伊勢和紙による 三輪薫「樹風」とフォトワークショップ「風」写真展
 2010年8月2日(月)〜7日(土) 10:00〜18:00(初日は13:00〜、最終日は16:00まで)
 小津ギャラリー http://www.ozuwashi.net/index.html
  〒103-0023 東京都中央区日本橋本町3-6-2 小津本館ビル2F TEL.03-3662-1184

今回の個展作品は全てスクウェアサイズのハッセルブラッドで撮影していて、和紙とは言えA3ノビにプリントしても、見慣れた現在の高画素数カメラでの再現性と比べるときめ細かさは頼りなく見えてしまう。しかし、写真はきめ細かさが優先されるものではなく、トータルで判断した場合はフィルムのほうがいい印象を受ける。フィルムならではの奥行き感や質感再現が何ともいい感じであるからだ。今回の個展は樹木の作品で構成している。森や水際の木々を撮ったものだが、木々の息吹や木々の間を吹き渡る風をもプリントから引き出したいと考えている。このような作画目的で撮った作品を和紙にプリントする場合は、フィルムをデータ化したほうにフィット感を覚える。フィルムの再現性への底力を感じている。

僕の個展作品はA3ノビで12点、四八判(1,100×2,400mm)を1点展示する。全て手漉き伊勢和紙で、多銘柄を使い分けている。フォトワークショップ「風」のメンバーは全てA3ノビで17点展示するが、5点は自家処理である。

8月2日(月)、3日(火)、6日(金)、7日(土)は滞廊するので、是非ご来場覧下さい。なお、初日の開館は午後1時からで、最終日の7日(土)は午後1時から伊勢和紙セミナーを開催します。また、連日伊勢和紙プリントデモを開催。フィルムか画像データをご持参下さい。三輪が滞廊中はプリントの作画アドバイスも行います。

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