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 No.531

三輪 薫(みわ かおる)


No.531 『創る』/写真のトーンとグラデーション再現-4 2010/11/15

最近の写真教室や愛好家のクラブに入ってくる人の中には、フィルム撮影を経験していない方も少しずつ増えてきた。問題は、このような人達に写真の色とは何かを伝えることが難しいことだ。様々な発色のリバーサルフィルムを多銘柄経験してきた人達には、「○○フィルムのような色合いとコントラストで」と言えば何となく伝わる。しかし、フィルム撮影が未経験の人には、色合いで示さなければならず、YMCなどで示しても、修正後の画像がその場で思い浮かべてもらうのは難しいだろう。

また、デジタルでは、モニターが違うと色合いも変わって見える。デジタルしか経験のない初心者の方にとって、何が本当の色なのか、自分が感じ求める色は何かなのかを、本人が判断するのは難しい。ましてや、様々な用紙に思うがままのトーンとグラデーションを出したプリントを作るのはそれこそ至難の業である。

カメラ誌などにデジタル画像の作品を入稿する時には、作者である僕のモニターが編集部と印刷会社で同じ機種とは限らず、色あわせが難しい。そのために色見本プリントを添付することになる。僕のメインな用紙は和紙だが、この色見本は光沢の高額タイプの写真用紙を使っている。初心者の方がインクジェットプリンタで基本的な色を見つけ、判断するには、光沢の写真用紙がベストと考えている。まず、光沢の写真用紙をマスターし、画材紙や和紙の研究をするのがお勧めである。

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