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 No.532

三輪 薫(みわ かおる)


No.532 『創る』/がんばらない人生と「わの会」写真展 2010/11/25

「がんばってね」という言葉をつい発してしまうこともあるが、僕は余りがんばらない主義を支持してしまう。自分の実力以上にがんばると疲れ、ストレスも溜まり、全ていい結果に結びつくとは限らないからだ。何事もマイペースで行うことが肝要だろうと思っている。

主宰する全国組織の「わの会」も1998年10月末に発足し、今月に入って13年目を迎えている。「わの会」は写真好きな方々が会員となっているが、人との出会いを楽しむことをモットーにしていて、ついでにと言っては何だが、写真の向上も目指して色々活動している。先月末には毎年恒例の会員が集まる『集いの会』を長野県小谷温泉のすてきな宿を借り切って開催した。北は山形県、南は愛媛県や佐賀県からも駆けつけてくれ、宿の夕食定員一杯の65名で開催した。メーンは賑やかに過ごす夕食懇親会とセミナーだが、初日は薄暗くなるまで、二日目は暗い早朝から撮影も楽しみ、日中は撮影三昧で過ごしている。

12月2日から8日まで四谷のポートレートギャラリーで、隔年開催の6回目の写真展を行う。今回は北海道から熊本県までの会員有志73名が参加し、大半カラーの半切で展示する。撮影はフィルムの方もまだ半数くらいいるが、デジタル時代を反映し、展示作品の用紙は様々である。手焼きとラムダ出力の銀塩ペーパー、画材紙、マット紙、和紙など作品内容と展示効果で選択している。巷ではこの写真展を見て、「わの会」はレベルが高く敷居も高いと言われることもあるが、がんばらない精神で楽しく行っている。勿論、個人的な作品創りは孤独な作業であるが、アヒルの水かきのごとく、涼しい顔をしながら見えない部分では試行錯誤しながら行っているのは言うまでもないことである。楽しく作品創りをしていると、本人が気づかないうちに向上しているものだ。

がんばって撮った多くの写真を見ると疲れを感じるものだが、「わの会」展を見ると楽しさが湧き上がってくるから不思議である。みなさん、余りがんばらないで楽しみながら撮っているからではないかと思っている。人生の過ごし方にはいろいろあっていいが、自分をさらけ出してがんばらないで暮らし、人との出会いを「和気あいあい」と楽しんで過ごすほうが心地よい。写真展開催中に出品者による懇親会も開催するが、遠くからも駆けつけてくれるメンバーもいて、総勢50人くらい集まってくれる。これも久しぶりの出会いを楽しみ、至福の時間を過ごすことが出来るからだろう。

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