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 No.542-1

三輪 薫(みわ かおる)


No.542-1 『創る』/デジタル撮影とプリント 2011/3/1

デジタルカメラでの撮影では、RAW画像とサムネールの超圧縮のJPG画像を同時に撮り、色温度やISO感度も作画と表現によってその都度きめ細かく設定している。色温度やピクチャースタイルなどによる色調やコントラストはサムネールのJPG画像には定着され、フィルムの銘柄違いのようにその時時の設定での結果が分かる。カメラ誌などの色温度のデータを眺めていると大半が太陽光である。勿論、RAW画像で撮っておけば現像時に自由に変換できるので、撮影時にあえて変えて撮る必要はないとも言える。しかし、撮影後に行うのは面倒であるし、後処理で変更すると撮影時に感じた印象とかけ離れた作画になってしまうことが多いような気がする。だから、後処理で行わず、撮影時にフィルム撮影と同じ姿勢で臨んでいる。

監修する写真展では、デジタル時代を活用するため、特に用紙の選択は、その作品内容を生かす種類を選ぶことを優先している。デジタルプリントのメインなラボは杉並にある「堀内カラー フォトアートセンター」で、ここではラムダ出力による3種の銀塩ペーパ−、インクジェットプリンタによる画材紙と3種の伊勢和紙photoを選択できる。勿論フィルム撮影でもスキャナーでデジタルデータ化すれば全ての用紙にプリントでき、表現の幅はぐんと広がってくる。

自分の個展に限らず、写真展の監修は他の人の個展やグループ展でも結構拘って取り組んでいる。正月明けにプリント発注した4月に開催のフォトワークショップ「風」展では、サイズも半切・全紙・全倍とあり、用紙も作品内容によって選んでいる。フィルムからの手焼きは銀塩クリスタルペーパー、デジタル撮影の作品はラムダ出力の銀塩クリスタルペーパー、インクジェットプリンタによる画材紙・和紙を選んだ。フィルム撮影の一部はデータ化して画材紙にプリントしている。また、35ミリ判・645判・6×6判とではオーバーマットの余白を考えて画面寸法を計算したり、用紙や作品内容によってプリントサイズを変え、用紙の余白を残してオーバーマットする作品もある。その余白寸法を作品内容によって変えてみたりと実に複雑な作業をしている。端から見れば、そんなに拘らなくてもと言うことだろうが、これも性分である。時には我ながら呆れたりしている。しかし、その結果は報われるもので、出品者達が来場者に褒められ、その嬉しそうな顔を眺めていると幸せな気分になる。だから、ますます毎回本気で拘り過ぎることになってしまう。

4月には、上記の写真展も含め監修した3つのグループ展を開催する。それぞれに個性豊かな作品で、是非見ていただきたい。詳細は「わの会」HPに掲載しています。

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