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 No.543

三輪 薫(みわ かおる)


No.543 『創る』/写真展ギャラリー事情 2011/3/10

常時監修している写真展には、10数年毎年開催しているグループ展4つと、隔年開催のグループ展4つがある。デジタル時代になって写真業界も厳しくなり、メーカーギャラリーが減る一方である。これらのギャラリーは、景気のよい時代には大半無料で借りることが出来、結構な数があった。しかし、現在では少なくなり、有料化されている会場も増えている。有料とは言っても美術界の画廊とは違い、比べると安価である。しかし、無料に慣れている立場では安価とは言っても高く感じてしまうこともあるだろう。

不景気になった現在ではプロの写真展は少なくなっているように聞いているが、愛好家の方々のグループ展は盛んである。しかし、会場の確保が年々難しくなり、広く長い壁面を持つ会場も少なくなっていて、会員数の多いクラブでは困っている。申し込みだけで開催できたギャラリーも申し込みが殺到し、審査制になったところもある。それでも会場によっては数年先まで予約で埋まっていると聞く。申し込みが殺到するだけに審査基準も年々高くなり、グループ展といえども開催へのハードルは高くなる一方である。ギャラリーによっては個展を重視していてグループ展を余り歓迎しないところや、デジタル時代の現在でも銀塩写真の写真展中心の会場もあるようだ。

だからこそ、写真展内容を吟味し、レベルも高く、見応えのある内容にしないと次の開催が実現しなくなってしまう。長くグループ展を開催し、出品を続けているとなれ合いになってしまうメンバーがいても不思議ではない。しかし、写真展開催の世話役の方達や監修者の労力や努力にはどれだけの人達が理解しているのだろうかと感じることもある。グループ展で最も大切なのは、出品者一人一人が自分の写真展だという自覚と責任を持つことである。DMを配る時に数枚でいいと言う人がいてビックリすることがあった。各自が数多くDMを出したり配ったりすることも必要で、多くの人達に見ていただくにはそれなりの努力も必要である。

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