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 No.545

三輪 薫(みわ かおる)


No.545 『生きる』/自然災害-2 2011/3/25

17日には茨城県鹿嶋市の妻の実家に手持ちのキャンプ用のランタン、関西の知人の方から送っていただいた乾電池や多少の生活物資などを届けるために日帰りで出掛けた。途中、4月始めに開催する東急BE写真展のプリントチェックのために銀座の写真弘社に寄った。住まいの近くのベーカリーやスーパーには食パンが全くなかったが、何と銀座の店にはどこにもあった。鹿嶋市の実家用にと弁当を買い求めにデパートに寄ったのだが、普段と変わらぬほど山積みになっていた。あるところにはあるものである。

今回のように災害が発生したときには、他の地域で趣味性や娯楽性の高い物事を開催することに対して反感を持ったり、批判する人もいるかも知れない。長野県栄村では来年にフォトコンテストを、今年には撮影会を企画している。この村では東日本大震災が起きた明くる日に地震が起き、避難所生活を余儀なくされている。だからといって撮影会やフォトコンテストの中止や延期を担当者達は考えていない。このような時だからこそ、開催するべきだとの考え方である。この姿勢には同感である。何事も後ろ向きに考えるのではなく、明るい未来を目指して前向きに考え、行動することが大切だろう。

悲惨な心理状態の時には、何か心が晴れることを求めるもので、子供達の笑顔も嬉しいだろう。栄村のように地震があっても村の素晴らしい自然が残っているならば、多くの人達が訪れ、泊まってくれることは嬉しいはずである。災害が起きたからと言って、何事も自重するだけが全てではないような気がする。野球も同じで、選抜の高校野球やプロ野球の開幕も励みになると思っている。しかし、プロ野球では電力不足で輪番停電が繰り返されていながらもナイターで開催すると発表したことには、コミッショナーの余りにも世情を知らないことに呆れた。1試合で6,000-7,000世帯分の電力を消費するという。

このような大惨事が起きたときには、あらぬことを風評する人も現れることもある。また、トイレットペーパーを山積みにして買いあさっている姿が新聞に掲載されていた。買い占めは、物資の少ない被災者にとっては略奪行為に相当するという記事も読んだ。納得である。東日本大震災の二日目には、近所のホームセンターやスーパーから、懐中電灯、乾電池、カセットボンベ、米、タマネギやジャガイモ、水やお茶、麺類などが見事に消えた。

このような時に、風評に惑わされて余計な心配をしたり、生活物資を買い占めに走ることのないように心したい。ガソリンも鹿嶋に日帰りしたこともあり、再度行くには足りない。しかし、渋滞を招き、無駄なガソリンを消費する長蛇の列には加わりたくなく、暫く様子を見ようと思っている。今置かれた現実を自分自身でしっかり見つめ、判断して行動することが大切だろう。

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