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 No.546

三輪 薫(みわ かおる)


No.546 『創る』/写真展のプリントサイズとメディア 2011/4/1

グループ展でも、半切や全紙の同じサイズで展示するものや、サイズを変えて展示するものがある。前者は1人1点が多く、後者は1人数点展示する場合が多い。1人数点展示の場合、半切から全倍までといろいろ並べることがある。個展と同じで、全体の流れや個個の作品の展示効果や作画と表現におけるベストな見せ方をするサイズがあると考えているからだ。

4日から銀座の写真弘社店内のギャラリー・アートグラフで始まる「三輪薫の素敵な写真の撮り方教室 東急BE青葉台『和気あいあい』展」は、道路に面したウインドウに半切で4点、ギャラリー内には四つ切りで28点展示する。このギャラリーは壁面がアイボリーホワイトで明るく、展示には各自が購入している白い塗装のアルミ額を使っている。大きなギャラリーではないので、オーバーマットの余白を少し広めにした額装作品は結構お洒落に見えるはずだ。プリントはフィルムもデジタルも光沢タイプを使い、今回から画材紙のフォトラグも採用している。

ギャラリー・アートグラフ 中央区銀座2-9-14 TEL:03-3563-0372
http://www.shashinkosha.co.jp/gallery.htm#artgraph

7日から四谷のポートレートギャラリーで始まるフォトワークショップ「風」展は、半切から全倍までのサイズで僕の作品1点も含め42点展示する。展示作品のサイズがいろいろあったほうが会場の雰囲気にも変化があり、見る側も楽しめることも多いと思う。監修している写真展のグループ展では、近年様々な用紙を駆使してプリントを仕上げ、展示することが多くなっている。上記のフォトワークショップ「風」展は半数がフィルム撮影で、その大半を僕のカラー作品による個展プリントをお願いしているPGL(フォトグラファーズ・ラボラトリー)で 4×5inch のインターネガを作り、クリスタルカラーペーパーにプリントしている。モノクロフィルムで撮った作品はバライタ印画紙だ。デジタル撮影の作品は杉並区の堀内カラー フォトアートセンターで、銀塩カラーペーパーを使うラムダで出力したり、インクジェットプリンタで画材紙と和紙に出力している。フィルム作品の一部はスキャナでデータ化して画材紙にもプリントしている。

同じフィルムやデジタル画像でも、メディア(用紙)を変えると見る側の印象も大きく違ってくる。デジタル時代を迎え様々なメディアを選ぶことが出来るのだから活用しないのは勿体ないと考えている。画材紙はイラストや水彩画的な作風に見えるし、和紙では日本画や水彩画に感じる描写になる。銀塩ペーパーだとごく普通に見える画像でも、画材紙や和紙にプリントすると一風変わった雰囲気の作品に見えるから面白い。是非、ご覧いただきたい。フォトワークショップ「風」展に引き続き、同じ会場でキヤノンフォトクラブ東京第1展も開催する。サイズは半切で統一しているが、用紙は様々で、自家処理プリントも結構あり、「風」展よりも多くの用紙を使い分けている。

フォトワークショップ「風」展 4/7(木)-13(水) 10:00-18:00(最終日14:00)
キヤノンフォトクラブ東京第1展 4/14(木)-20(水) 10:00-18:00(最終日14:00)
共に、ポートレートギャラリー 新宿区四谷 1-7 日本写真会館5F(四ツ谷駅下車)
http://www.sha-bunkyo.or.jp/gallery/port.html

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