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 No.551

三輪 薫(みわ かおる)


No.551 『創る』/BS Japan「写真家たちの日本紀行」 2011/5/17

3月に銀座キヤノンサロンの方から連絡があり、BS Japan で放映中の「キヤノン プレミアム アーカイブス 写真家たちの日本紀行」への出演依頼があり、4月中旬のロケだとの話だった。実は、1995年に風景写真のハウツービデオを2巻作っていて、その前にも一度ケーブルTVに毎回5分程度の企画ものに出演したことがある。スチールカメラの前と違って、全ての行動や言葉をそのまま記録されてしまうビデオカメラは苦手である。ビデオカメラの前に立つのはそれ以来だ。雑誌の取材では原稿なども確認して修正もでき、発言内容に関しても安心できる。ビデオ撮影の場合には話したことの全てが放映されるとは限らず、編集結果を確認できないTV番組では、話したことが細切れになったときに発言の真意が上手く伝わるかどうかも心配である。

今回の取材日は4月中旬と決まっていて、5月以降にはずらせないという。数カ所提案した結果、4日間で2本分撮影出来る移動距離も少ない富士山麓と静岡県奥大井に決まった。今年の春の到来は例年よりも遅れ気味で、4/15-18の日程で富士山麓から始まったロケもまだ全面枯草が残る所も数カ所あった。自然風景を被写体にする内容では、被写体の状況と天候が大きく左右してしまい、納得の作品をどれだけ創ることが出来るかは分からない。出演する作者として最も気になる部分である。

しかも、TVには各20点、WEB には各30点の作品が必要とのこと。たった4日間の撮影で、TV用に40点、WEB 用に60点の三輪薫の作風と言える作品を用意できるかどうかは全く自信がない。実に過酷な出演条件であると思ってしまう。どのような条件、被写体でも自分の作品にする自信はある。しかし、4日間の撮影で、視聴者に納得していただける作品をそれだけ多く用意できるかどうかは全く別物である。出演をお知らせした知人からは「自然相手の取材は難しいですね。お疲れさまです。これまでも作者が苦労したと思われるものが何本かありました」と連絡が来た。大半の編集を終えたディレクターの方からは、いい感じでできましたと連絡をくれたが、やはり放送を見てみないと心配である。

それにしても今回のディレクター氏は、まだ20代だというのにかなり有能な人で、ビデオ撮影中に次々と質問を投げかけてくれた。発した言葉を覚えていて、違う場面で突っ込みを入れてくる。端から眺めていると絶妙とも言えるタイミングだろうが、質問される側にとっては、時には禅問答のようには即答できなく、多少だが困惑し、返答する内容を捜す場面もあった。この辺りのことも念頭に入れながら眺めていただくと面白いかも知れない。

BS 衛星デジタル放送局『 BS Japan(全国ネット)』
「キヤノン プレミアム アーカイブス 写真家たちの日本紀行」
◎放送日(下記の2回)
1)5月21日(土):富士山麓編
2)5月28日(土):静岡県奥大井編

※ 19時30分から20時までの30分枠
※ 翌週土曜 14時から14時30分再放送

http://www.bs-j.co.jp/shashinka/

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