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 No.554

三輪 薫(みわ かおる)


No.554 『生きる』/北信州栄村フォトコンテストと新緑の秋山郷撮影会-2 2011/6/10

東日本大震災が発生した3月11日の明くる日に大きな地震が起きた長野県栄村では、全壊家屋も30数軒に及んだ。飯山線の線路も路肩が崩れ落ちて宙づりになったが、驚異的な復旧工事により4月29日に開通した。この日は震災以後仕事が片付かず、やっと栄村に行けた日で、電車が来たのを見て復旧の早さに驚いた。現在、全村上げて復旧、復興に努めている。

栄村では来年2月末応募締め切りのフォトコンテストを開催し、作品募集のチラシも出来上がっている。チラシのデザインは名古屋で学んでいたときのグラフィック科にいた友人に頼んだ。このフォトコンテストの実行委員長は「わの会」栄村支部の元支部長さんで、僕は顧問と審査を担当している。このフォトコンテストは、朝日新聞社や「にほんの里100選」を主催した公益財団法人森林文化協会の後援も得ている。朝日新聞社、森林文化協会、全日本写真連盟、アサヒカメラ編集部、東京栄村会の方や他の方々を招いてのオープニングレセプションも5月20日に開催された。式典の後、被災地を見て頂き、村内をご案内した。宿泊は秋山郷の素朴な宿「のよさの里」で、今回は特に栄村の豊かな自然を満喫頂けたと思う。参加頂いた方からは「ひさびさにのんびりした、素晴らしい時間を過ごせました。三輪さんが繰り返し現地に行っている理由が少し理解できたような気がします。秋山郷は本当に奥深い魅力を秘めていますね」とメールを頂いた。

撮影会は5月21日-22日に開催された。遠くからは佐賀県の「わの会」会員や、同じく「わの会」会員の三重県伊勢和紙の社長夫婦も参加して頂き、合計18人で楽しく撮影出来た。今回の撮影会は全日本写真連盟や各カメラ誌の協力も得られ、かなり広範囲で告知された。参加費は実費のみの格安だったため、あっという間に募集定員をオーバーすると思っていたが、定員には至らなかった。震災から2ヶ月後と言うこともあり、敬遠されたのかも知れない。僕が担当する撮影会は不思議と全天候になることが多く、今回も2日目には雨が降り、霧も出て絶好の撮影会日和になった。雨を含んだブナ林は生き生きとした姿を見せてくれた。夜の懇親会の後には心地よい音楽をバックに125カットのスライドショー「栄村の四季」も披露した。2日間、参加の方々には栄村の自然を堪能していただけたと思っている。

このフォトコンテストへの応募のため数多くの写真愛好家の方々が栄村を訪れ、撮影してくれると嬉しい。今回の大震災への支援は長く続ける必要があり、村を訪れ、宿泊することも支援につながる。村役場の近くにある道の駅「信越さかえ」には村の産物を売っていて、平日でも結構賑わっている。これらの農産物などを買うことも支援になる。野菜なども美味しいが、村で栽培したトマトを加工したトマトジュースは特別美味しく、毎回のように箱入りで買って帰り、あちこちに宅急便で送ることもある。別棟で売っているソフトクリームも美味しく、お勧めである。

にほんの里100選北信州栄村フォトコンテスト
http://www.sakaemura.org/

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