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 No.555

三輪 薫(みわ かおる)


No.555 『創る』/新潟県展と審査 2011/6/20

5/30-31日には新潟県展の審査があり、初めて新潟駅に降り立った。新潟県には撮影で多くの地域に通っているが、新潟市内に入り、泊まるのは初めてだった。2泊していた「ホテル日航新潟」の22階の部屋から眺める市街地はまるで海外に来ているような錯覚を受ける情景だった。眼下の信濃川には数多くのヨットが浮かび、ビルが建ち並ぶ街並の向こうには日本海が見え、実に不思議な思いを抱きながら眺めていた。初日の夕食は30階で、7部門の審査員各二人と各部門の委員の方々数人と担当者が集い、懇親を深めながらながら過ごした。夕食が始まって直ぐ日本海の空の一部が赤く染まり始め、慌てて部屋に戻って LEICA D-LUX 3 で撮影した。

県展審査は、以前に佐賀県展を担当したことがあり、今回は2回目だ。新潟県展は何と終戦数ヶ月後の昭和20年に1回目を開催し、今年は66回目とのこと。この長い歴史が語るにふさわしい2,000点近い作品の応募があり、作品受付時には、付近の道路が大渋滞になるとのこと。選考は30日の午後から始め、31日の夕方まで掛かった。新潟県はこれほど写真が盛んで、多くの愛好家がいて、レベルの高さにも驚きを隠せなかった。撮影分野も多岐にわたり、身近な地元の風物を撮った見応えのある作品が多くあったのは審査を担当する者にとって嬉しい限りだ。作品創りにはこの姿勢も大切である。

応募作品は、単写真は 60×60cm のオーバーマット付きのパネル張り。組写真はほぼB1サイズの、大半オーバーマット付きのパネルに張り込みである。フォトコンテストなどの四つ切り程度のプリント応募と違って、応募者にとっては費用も大変だ。以前の単写真は全倍だったとかで、展示映えはいいのだが応募者の負担が大変だと今回のサイズになったという。現在、大都市である名古屋のプロラボでさえ全て営業(受付)のみになっているとのことだが、新潟県のラボは頑張っていて、プリントの水準も結構高いのにも驚いた。ラボが頑張ることが出来るのも、デジタル時代になってもラボに発注する写真愛好家の方々が多いと言うことだろう。写真業界の活性化には嬉しいことである。

1つ発見したのが単写真のパネル張りで、毎回作品部分のみを差し替えできるような仕組みになっていたことだった。無駄がなく、いい方法だと感心した。審査時には10人近い人達がパネルを持って運び回り、一次審査、二次審査、最終審査と二日間で一体どれくらいの歩数になるのかと思うほどで、お手伝いのみなさんも実に大変である。

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