Toppageへ
 No.556

三輪 薫(みわ かおる)


No.556 『創る』/新潟県展と選者研究  2011/7/1

今回の新潟県展の審査依頼には、新潟県の新聞社「新潟日報社」で新潟県美術展覧会(新潟県展)の事務局を担当している方から、昨年の12月初めに「地元の県展役員作家から是非お願いしたいということでご推薦をいただきました」と連絡があった。昨年はアサヒカメラと隔月刊風景写真の審査を担当していたからかも知れない。推薦を受けるのは光栄なことである。

審査時に県展を担当する新聞社の方から、「応募希望者からは、早く審査員が誰かを教えて欲しい」との問い合わせが結構あると知らされた。応募者にとっては、誰が審査員になるかで応募作品を検討するようだ、とのことだった。『世界百名山』『世界百名瀑』などで知られる白川義員さんが審査員だった年には、やはりというか山岳写真が多く応募されたという。しかし、結果としてはそれらの応募作品が多く入賞、入選したわけではない。県展の審査は二人で行うことが多く、今回のもう一人も風景写真をメインにしている。だからといって今回は日本の自然風景が多く応募されたという印象は何故か少ない。選考結果としても、風景作品が多く残ったという事でもなく、この選者研究は余り意味のないことだと応募者は知るべきだろう。

選者研究をするなら、審査員の弱点、盲点を突いた作品を応募するほうが当を得る研究かも知れない。つまり、審査員が評価基準を苦手とする分野の作品を応募したほうが入選確率は高くなるとも言える。まあ、かも知れないとい言うレベルの話ではある。僕に対しては、かなり広い分野の撮影もしていて、それらの個展も多く開催しているので、そのような目算は外れることが多いかも知れないと自負している。しかし、撮影を経験していない被写体もある。それらの作品に対してはイメージして判断するしかなく、その分野の専門家からすると多少は的外れな評価をしていることになるかも知れないとの危惧も多少はあると思っている。全てに対して正当な評価をするのは難しいだろう。

戻る