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 No.559

三輪 薫(みわ かおる)


No.559 『生きる』/節電とエコな生活 2011/8/1

東日本大震災での原発事故のこともあり、震災以来の今年は節電に励まなければならない生活が続いている。いざ節電に励むエコな生活を始めると、今まで如何に無駄な電力消費をしてきたかと疑問に感じることもある。一方では、政府やマスコミが騒ぐほど各家庭で節電しなければならないのかと疑問を感じることもある。

デパートに行っても、今までと比べると確かに冷房の温度は高く設定しているようだが、店内に入ると寒く感じる日もある。また、節電しているとはいえ、駅のコンコースなどの照明は海外に比べると今でも明るい気がする。石原都知事が自動販売機のことを問題にしていたが、都会では不必要と思われるほど数多くの自動販売機が並んでいる。田舎では、夜に自動販売機で買う人がどれほどいるのだろうか。照明を切ったからといって、暖めたり冷やしたりする電力消費のほうが遙かに多い気がする。余りにも多すぎる販売機を少なくしたなら、どれだけの節電になるかを計算し、公表してもいいだろう。海外で自動販売機を見ることは少ないが、それで困ったという記憶は少ない。

都会でも郊外でも多くのコンビニがあり、自動販売機がなくても困らない。24時間営業のコンビニには当日配達の宅急便を出す場合には重宝しているが、不夜城と呼ばれる都会の街ならいざ知らず、郊外で24時間営業をする意味と価値があるのかと思ってしまう。店内はまぶしい程の明るい照明で、全国の24時間営業しているコンビニの深夜営業を止めるだけでも大きな節電につながるはずだ。

エコといえば、近年ハイブリッドの車がもてはやされている。僕の撮影用の愛車など、とてもエコな車とはいえなく、その内冷たい視線を浴びるかも知れないと思っている。僕の VW T-4 の師匠が昨年だったかハイブリッドのトヨタプリウスの中古車を購入した。6年落ちだそうだが120万円だったとか。普通の車なら下取り価格は0に近い。個人の家計にとっては、同じ6年落ちの燃費のよい車を買ったほうが経済的にはエコになる。家計の負担を無視してのエコな生活は、どこまでエコな生活と言えるのだろうか。

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