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 No.565

三輪 薫(みわ かおる)


No.565 『創る』/写真展の装丁と展示 2011/9/20

4月に写真展を開催したフォトワークショップ「風」では、プリントサイズの違いによる額のサイズも半切・全紙・全倍と3種あった。また、フィムル撮影で35ミリ判だけではなく、645判や6×6判もあってオーバーマット余白の違いも会場に変化を与えてくれる。このオーバーマットの余白も大切で、額の外寸とプリント画面サイズによってバランスよく余白を決めると見栄えもよくなる。作品内容によってはプリントサイズをわざと小さめにすることもある。オーバーマットの余白を少し広めにしたほうがお洒落に見えることがあるからだ。

額装も同じ銘柄の額を使いながらもサイズが違ったり、装丁の方法を変えたりしていて、変化のある展示にしていた。これも写真展の演出であり、モデルさんがスタイリストやヘアーメイクによって様々に変身するのと似ているだろう。写真展ではアルミ額を使うのが一般的だが、木製の額もいい。特に和紙作品にはとても似合う。先週終わった小津ギャラリーでのフォトワークショップ「風」展は白木の額で、爽やかに見える。以前、桜材や檜の白木で額を作って数回個展で使用したたこともある。桜材は質感や色合いによって会場に落ち着いた雰囲気を醸し出してくれる。

僕の個展額はオリジナルで作ることも多く、1976年に初めて開催した個展「道道」の額は銀色のアルミだったが、ギャラリーでは余り使わないデザインのを選び、全てを新調した。オーバーマットは金型を作って切り抜いてもらった。プリントはドライマウントプレス機で下地のボードに貼り付けた。当時としては拘りの個展だったと思っている。

1994年に開催の第1回目の「ファインプリント展」の会場は銀座5丁目の鳩居堂ビルにあった京セラ・コンタックスサロン銀座だったが、六切から大四つ切り用に真四角のアルミ額を作った。この額は一見木製に見える仕様で、4年後の2回目には半切と全紙用に横長の額を1種作り、3回目には真四角の一回り小さな額を作った。桜材の額も「ファインプリント展」用に作った額も、それぞれのサイズを自分で決めた。

銀座5丁目にあったキヤノンサロンで初めて開催した2001年の「風色」展では、桜材の額を注文した。半切・全紙・全倍と25点くらいだったが、職人さんの手作りだったので、もうビックリの価格だった。和紙による初めての個展「風香」や伊勢和紙による「風色-II」展などでもこの額を使ったが、裏打ちは和紙の風合いを生かすソフトなものにしていただいた。その他にも様々な額を作っていて、手持ち額は結構多くある。

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