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 No.570

三輪 薫(みわ かおる)


No.570 『生きる』/節電とエコな生活-3 2011/11/20

福島原発の事故以来、電力不足を宣言され、特に関東地区では節電を奨励されてきた。節電に励むのはいいことであるが、夏場の一般家庭の消費電力の計算に水増しがあったとの新聞記事を読んだ。電力会社や政府の言うことに益々不信感を募らせるばかりである。

しかし、エコな生活を送るのは決して悪いことではなく、いいことである。だが、本当の「エコ生活」とはどういうことを示すのだろうか。電気を消費しないことだけがエコとは言えず、基本的にはものを大切にすることこそ、「エコな生活」と言えると思っている。しかし、世の中大消費時代で、使い捨てこそ美徳と思っている人や企業が多いような気がする。政治家の首相選びも同じだろう。まあ、企業は売れてなんぼの世界であり、自社製品を長年使い、愛用してくれる人よりも、次々と買い換えてくれる人こそお客だと思っていると確信している。

本来の日本人は、ものを大切に使うことが美徳だったはずだ。この美徳は何処に行ってしまったのかと思うほどなさけない世の中になっている。新聞のコラム欄でライターの方が書いていた。大手メーカーの製品は、20年?経つと部品すらなくなって修理不能。中小企業が作った製品を修理に出すと、「長年のご愛用、ありがとうございます。まだ、修理可能で、部品も用意しています。」との返答があったという。現在は知らないが、石油ストーブのアラジンというメーカーは、数十年どころか、もっと永く、ビス1本でも揃えているということを聞いたことがある。これは凄いことではなく、自社製品に責任を持つ会社として当たり前のことである。

現在住んでいる我が家は、20数年前に改築したのだが、この時「セントラルクリーナー」を取り入れた。掃除機の集塵機を家の外に設置するタイプで、健康のためにはいいシステムである。しかし、先月に部品を調達使用としたら数年前に製造中止。この日本一の家電メーカーでは、部品すら入手できなくなっている。一方的に生産中止、部品の供給も止めてしまったようだ。しかし、家は20数年で壊し、建て替えるものではない。一流企業のポリシーは、アンチエコの主流であることがはっきり分かった。この大企業メーカーの製品には、以前にも書いているが裏切られることが実に多い。

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