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 No.571

三輪 薫(みわ かおる)


No.571 『生きる』/いじめ 2011/12/1

50年前頃の僕らの子供の頃には、現在のような陰湿ないじめはなかったような気がする。確かにいじめはあったが、小学校時代には最後のクラス会で、いじめられたと思っている人が、その出来事や経緯、誰にいじめられたかなどを報告していた。いや、報告できていた。いじめと言うよりも、からかわれていた程度のものだったと思っている。

僕は同級生をいじめたという記憶はないが、中学の頃には先生からのいじめと自分では覚える言葉を受けたことが度々ある。田舎の小学校や中学校は、同じ学校に長年勤めている主のような先生も結構いて、次男である僕は何かと3学年上の兄と比較されていた。品行方正、学力優等だった兄と日々比べられていたのだ。これは辛い。小学校の低学年では、学級委員バッジを付けながらも度々廊下に立たされていた。「また、お前の弟が廊下に立たされているよ」と兄の同級生が兄に報告し、兄を困らせていたこともある。余り勉強熱心ではなく、どちらかと言えばやんちゃな生活振りだった。授業中に先生から問題を解くよう指名されることも多かったようで、兄のようにすらすらと答えられないと、何かに付け比較された。これは、今思うと生徒いじめである。まあ、先生からすると、やんちゃは兎も角として、勉強だけは兄のようにガンバレという気軽な励ましの言葉だったのかも知れない。

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