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 No.574

三輪 薫(みわ かおる)


No.574 『生きる』/2012年をどう生きるか 2012/1/1

昨年の記憶は何と言っても3月11日の大震災と津波、明くる日に長野県栄村近辺で起きた地震や原発事故に尽きると思う。日本は地震国で多少の地震が起きても驚くことはないが、今回の地震による津波に対しては、大半の人達にとっては想定外のことだったと思う。

しかし、今までの日本には今回想定外とは言えない大きな地震や津波が何度も起きていて、当然ながら被害も甚大だった。これらの事実を認識し、その事実を真摯に受け止め、先人達が体験し、対策をこうじたことを今も生かしていたならば、少なくとも今回のような大きな被災を受けることもなかっただろう。そう言う対策への助言を無視してきた付けは余りにも大きすぎた。原発に関しても今だ完璧ではなく、「石橋をたたいても渡らない」くらいの慎重さがあれば、今回の原発事故を起こさないで済んだのだろうと思ってしまう。人命よりも企業の利益が優先され、それを許してしまう政府や政治家、原発交付金を当てにする地方自治体の姿勢が理解できない。僕らの世代の子供の頃には原発はなく、現在のように物資も豊富ではなかったが不幸せだとは思っていなかったような気がする。狭い日本に54基もの原発があるのは、原発交付金への魔力に冒され、挙げ句交付金をもらって箱物を造る悪循環を繰り返してきたのは地方自治体である。税金でも、労せず入るお金などありはしない。

過去の教訓が生かされなかったのは「人の噂も75日」と同様の思いからだろう。このような思いや行動が今回の被害を大きくした原因にもなっているような気がする。謙虚に生きる術を失ったらその付けは大きくなることを痛感させられた年だった。だからこそ最優先されるべきは命であり、その命を守る大切さを貫くべきである。しかし、今回の震災や原発事故では命のはかなさを今更ながらも思い知った。

被災された人達は大変なことだが人生諦めないで生きて欲しい。今後自分でもどのように生きるのがいいのかと思い、考えるのだが、実はよく分からない。僕は6月には64歳を迎えるが、年齢相応の自覚は全くない。だから今まで以上に元気に明るく生き、過ごしたいものだと思っている。

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