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 No.575

三輪 薫(みわ かおる)


No.575 『生きる』/原発事故と放射能汚染 2012/1/10

原発事故と放射能汚染はまさに人のエゴが招いた人災であり、東京電力と政府の犯罪でもある。まことしやかに原発は安全だと言いくるめ、狭い日本に54基もの原発を建ててしまった付けは大きい。廃炉にするだけでも膨大な経費と40年近い膨大な時間が掛かるという。それも、まだ安全に廃炉出来るという保証もない。原発は安全などころかまだまだ未知数の危険な部分が多すぎる。

また、不思議なのはこの人災の事故に対し、誰も責任を取っていないことだ。東京電力、政府、原子力ムラ、全て誰も責任を取っていない。このままうやむやにしてしまうつもりなのだろうか。こういうずるさは超得意な人達かも知れないが、末代まで責任の所在追求を忘れてはならない。責任追及を止めれば、また今回のような事故や犯罪が繰り返されると思うからである。

今回の事故で長年住み続けた故郷を強制退去させられた人の無念は計り知れない。場所によっては数十年先でも戻ることが出来ないだろう。そうなったら、その町の人達は終生ばらばらになったまま過ぎてしまうことになる。まさに社会の崩壊である。被害を受けていない僕らにはその人達の本当の気持ちは分からない。分からないからこそ、被害者の方々は余計無念に感じていると思ってしまう。

昨年は3月の震災以降、例年並みに撮影する心境にはなれなかった。思い切って出掛けても、心の何処かで撮影モードに入れなく、何となく中途半端な気持ちでしかいられないことも多かったような気がする。結果、撮影日数は少なかった。しかし、今年はできるだけ出掛けたいと思っている。出掛けることも被災地への支援につながるからだ。

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