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 No.579

三輪 薫(みわ かおる)


No.579 『車』/豪雪と雪道走行 2012/2/20

昨年の夏は異常なくらいに暑かったが、今年の冬は例年よりも降雪が多く雪国では大変な生活である。そのような中、先月から今月初めに掛けて北海道と東北を15泊で巡ってきた。この計画を立てたのは昨年の秋で、スケジュール的に日程の変更は難しく、予定通りに大洗からのフェリーに乗船して撮影用のVW T-4 ウェストファリア ユーロバン CVで出掛けた。

実は、冬期の北海道には自分の車で行くのは初めてだった。VW T-4 の前には撮影用に1ボックスカーの三菱デリカを3台乗り継ぎ、2台目と3台目は4WDだった。この4WDの車でさえフェリーで冬の北海道に出掛けたことはなく、今回2WDの VW T-4 ではとても心配だった。4WDのデリカから VW T-4 に乗り換えてからも10月下旬から11月頃にはスタッドレスタイヤに履き替え、このタイヤだけでは心配なときにはゴムタイプか金属タイプのチェーンを装着して走っている。しかし、手持ちのこれらのチェーンは装着に時間が掛かり、 VW T-4 で冬の撮影に行くのはおっくうになる。

昨年暮れに出掛けた秋山郷で、緩やかな上り坂の前を走る車が停車し、 VW T-4 も停まらざるを得なかった。しかし、ちょっとした上り坂でもアイスバーン状態になっている道路では駆動輪が空転し、前に進むどころか後に下がってしまう。この時は仲間の4WD車に少し牽引してもらって脱出できた。チェーンなしでの走行は無理で大変だった。今回の北海道と東北は単独での走行で、自力で対応するしかない。心配で新たにチェーンを購入することにした。調べてみると近年のチェーンはとても進化していて、装着はゴムタイプも金属タイプも30秒でできると表示されている。これなら何とかなるとゴムタイプと金属タイプの2セットを入手して出掛けた。

近年のスタッドレスタイヤもとても進化しているようで、普通の平坦な雪道程度なら2WD車でも難なく走ることが出来る。前輪駆動車は後輪駆動車よりも上りは苦手だが、前輪駆動の VW T-4 でも多少の上り坂くらいなら停車さえしなければ結構上り続ける。青森市内から八甲田のホテルがあるスキー場辺りへの道路や、一関市内から東栗駒山への道路は上り坂が結構長く続くが、スタッドレスタイヤだけでもかなりの部分まで走ってくれた。チェーンを装着した後は、スタッドレスタイヤのみの4WD車並と思えるくらいに走ってくれることを今回実感した。

チェーンもゴムタイプと金属タイプを路面状況で使い分けると安心である。圧雪、アイスバーン、アスファルトが部分的に露出した路面が交互に現れるような状況ではゴムタイプが乗り心地もよく、無茶な走りさえしなければ大丈夫である。金属タイプははしご型ではなく亀甲形がお薦めである。今回購入した金属チェーンはチェーンにリングが付けてあり、アイスバーンなどの路面でも食い込みがゴムタイプより大きく、登坂性能やブレーキの制動力に優れていると感じた。

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