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 No.580

三輪 薫(みわ かおる)


No.580 『車』/豪雪と雪道走行-2 2012/3/1

今回の撮影行は大洗から真夜中発のフェリーで苫小牧に行き、美瑛、白金温泉、小樽、積丹半島、ニセコ、大沼公園を巡り、函館から青森にフェリーで行き、八甲田、十和田湖、蔦沼、東栗駒、裏磐梯高原と回る15日15泊の結構ハードな行程と日程だった。

訪れた何処も積雪が多く、走行中目の前が雪のカーテンに見えるほどの凄い降雪に出合ったことも度々だった。苫小牧から美瑛に行く高速道路の道央道も路面は真っ白で関東地区なら通行止めになっても不思議ではない路面状況だった。50km規制をほぼ遵守して走ればスタッドレスタイヤだけでもそれほどの問題はない。しかし、慣れている道内のドライバー達は50km規制を遵守することなく走るので、特にトラックやバスなどに追い越された時には立ちのぼる雪煙で前が真っ白になってハンドルを握る手に力が入ってしまう。

美瑛の早朝撮影では、マイナス20℃くらいになった。走行中の水温計の針が上がったり下がったりと変な動きを示し、ボンネットの隙間から白い煙が出ていた。心配で停車してボンネットを開けたら真っ白な煙が立ちのぼった。よく見ると満タンにしていたクーラント液のタンクが空っぽでビックリした。暫くアイドリング状態を続けた後、応急処置の水を補給しようとこのタンクの蓋を弛めたのだが、弛めすぎて蓋が飛び、中の残りのクーラント液も噴き出してきた。幸いタオルを幾重にも重ねていたために火傷はしなかったが、7リットル以上も入り、慌ててホテルに戻った。東の空がいい色合いに染まってきたのだが、撮影をする心境にはなれなかった。

ホテルで紹介を受けた修理工場に行ってクーラント液の入れ替えをしてきた。どうも気温が下がりすぎてクーラントの配管部分が凍ってしまったようだ。一応マイナス20℃仕様で臨んでいたのだが、美瑛辺りはマイナス40℃仕様が当たり前だとのこと。今までは道内のレンタカーを利用していたので気づかなかっただけの話だが、はやりビックリの出来事だった。 VW T-4 にはバッテリー上がりに対応するスペアのバッテリー、ウインドウウォッシャー液やオイルに加え、冬期にはクーラント液も積むことにした。

雪道での2WD車はスタックすることも前提で、脱出する用具も積んでおきたい。チェーンを積んでいても、深めの雪にスタックした場合には脱出やチェーンの装着が大変である。積雪が結構ある場合はタイヤが埋まり、装着が実に簡単なタイプのチェーンでも平坦な道路などで装着するようにはできず大変である。最後の撮影地の裏磐梯高原で行き止まりの道路にスタッドレスタイヤだけで突っ込んでしまい、Uターンしようとしたら道路際の雪の壁に突っ込むようにスタックしてしまった。積んでいたスコップでタイヤの前後の雪を掻き出して金属チェーンを装着した。ゴムタイプのチェーンは装着時にタイヤを半回転させねばならず、このようなスタック時には車は動かず装着できない。もう片輪の装着を試みたが難しく、スタック時のために積んできたバスマットを駆動輪の後に敷いた。片輪だけでもチェーンを巻いたために今回は上手く脱出でき、ホテルに戻って除雪された玄関前でもう片方にチェーンを巻いた。スタック脱出用にゴム製の敷板も積んでいる。

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