Toppageへ
 No.581

三輪 薫(みわ かおる)


No.581 『生きる』/命の重さと生き方 2012/3/11

昨年の今日起きた東日本大震災と津波、原発事故や翌日の12日に長野県栄村で起きた直下地震では、改めて人の命の大切さを思い、はかなさを感じた。人生、いつ何が起きるか分からず、どのように生きるのがいいのか、生きたらいいのかと改めて考えさせられた1年だった。このような大震災が起きた時、現地でのボランティアなど即支援の行動に移せる人もいれば、思っていてもほとんど何も出来ない人もいる。歯がゆいが僕は後者のタイプで、今後も目立つような行動は出来ないだろう。報道写真家でもなく、被災地や被災された人達にカメラを向ける勇気もない。9人姉弟だった亡き母の故郷である神戸市の17年前の阪神淡路大震災の時も同様で、今回も震災後は以前のように常時撮影する気分にはなれなかった。

東日本大震災から1年経ったが、購読している新聞では現在毎日被災地や原発の記事が掲載されていて忘れることはない。しかし、被災地から離れたところに住み、TVや新聞でひんぱんに取り上げられることがなくなると随分前の出来事のように思ってしまうのではないだろうか。月日が経っても記憶からは遠のいてしまうことのないようようにしたい。明日は我が身と思い、微力ながら復興が終わるまで末永い支援を続けたいものである。今日は終日TVを眺めていたが、子供達の明るい笑顔が救いだった。

主宰する「わの会」には栄村支部があり、個人的には東日本大震災の被災地や被災者の人達よりも栄村を思い、会としても何かと支援している。栄村の被災は東日本大震災や津波被害に比べると格段に少ないが、東日本大震災が起きていなければかなり注目されていたはずだ。まだ仮設住宅で暮らしている村民もいて、道路も全て復旧している訳ではないが、広大な村には豊かで美しい自然が多くあり、震災後にも3回撮影会を開催できた。県外から人が集まってくるのも支援になる。震災前に企画された「にほんの里100選 北信州栄村フォトコンテスト」も予定通り実施されることになり、先日審査も終えた。5月には築地の朝日新聞社のコンコースギャラリーで、6月には横浜市の大倉山記念館ギャラリーでこの写真展が開催される。この写真展を見て多くの人達が栄村に来てくれると嬉しい。

戻る