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 No.585

三輪 薫(みわ かおる)


No.585 『創る』/デジタル時代のプリント 2012/4/20

写真の世界もデジタル全盛になって銀塩写真のほうが遙かに珍しい時代になっている。しかし、写真展会場で見るプリントは、銀塩の印画紙を使ったラムダ出力のようなデジタルプリントか、インクジェットプリンタで写真用紙に出力したものが大半であるような気がする。何故なのだろうか。

先日終わった僕が監修のキヤノンフォトクラブ東京第1展の作品は全て半切のデジタルプリントで、44点展示した。35点がデジタル撮影で、フィルム撮影は9点あるがスキャナでデータ化している。この内ラムダ出力の銀塩カラーペーパー(クリスタル)が10点と写真用紙が3点、画材紙とマット紙が23点、伊勢和紙が8点あった。これらの用紙は作品セレクトと展示レイアウトを決めた後、その作品内容に最もふさわしいと判断したものを選んでいるに過ぎない。

5月12日から築地の朝日新聞東京本社ビル二階のコンコースギャラリーで、審査委員長を担当した長野県栄村主催のフォトコンテスト写真展が始まる。このコンテストの応募受付は全てプリントであるが、用紙の種類は限定していなく、ほぼ何でもOKである。審査の結果和紙や画材紙の作品もそれなりに入った。写真展では入賞・入選の29点をプロラボの堀内カラーで現在プリント中だが、9点が和紙や画材紙である。フォトコンテストの写真展で和紙や画材紙を使って展示したものは今まで見たことがなく、実に珍しいのではないかと思っている。

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