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 No.587

三輪 薫(みわ かおる)


No.587 『創る』/にほんの里100選「北信州栄村フォトコンテスト」写真展 2012/5/12

今日12日(土)から24日(木)まで築地の朝日新聞東京本社ビルの「2階コンコースギャラリー」にて表記の写真展が始まる。栄村では昨年3月11日の東日本大震災の明くる日に大地震が起き、被害も甚大なものだった。このフォトコンテストは一昨年の2010年から準備をしていたが、このような大きな被害を受けると中止か延期になることが多いような気がする。しかし、栄村では下記の村長の言葉にもあるように、「このようなときだからこそ是非開催したい」という実行委員会の方々の力強い意志によって予定通り進められた。応募は全てプリントで、デジタル時代を反映し、銀塩ペーパーだけではなく、インクジェットプリンタによる写真用紙、画材紙、マット紙、和紙など、多様な用紙を使った作品が寄せられた。今回の写真展で展示の入賞入選作品のプリントは全て堀内カラーで制作しているが、応募の用紙を基準にし、ラムダ出力の銀塩ペーパー、画材紙と和紙の3種の用紙にプリントしている。フォトコンテストの写真展で、このような展示はまだまだ少ないと思う。勿論、これらのプリントは、個展やグループ展と同様に作画と表現力を上げる監修を行っている。

今回の入選作には村の小学生が撮った作品も1点あり、その上手さに驚いた。会場には入賞入選作とは別に9人の子供達の作品も展示した。入賞入選作には自然風景が多いが、スナップポートレートや祭りのカットもある。全体を眺めてもとてもいい雰囲気で、秋山郷に行ってみたくなるだとうと思うほどだ。ほのぼのとした情感が漂っていて、およそフォトコンテストの写真展らしくないと感じるのが逆に新鮮で、ご覧いただく方々の気持ちも和み、潤ってきそうに思う。是非、ご覧下さい。

■フォトコンテストの趣旨
「にほんの里100選」は、朝日新聞社と森林文化協会が2008年に全国に公募、みどり豊かな田んぼや里山、生き物でにぎわう水辺や海岸など、日々の営みで保たれてきた多彩で美しい自然と景観、人模様を対象にして100カ所を選定したもので、栄村もその一つとして選ばれました。その栄村の自然風景、集落の景観、暮らし、祭り、ドキュメントなどを題材にした写真作品を、広く全国から募集し、村の魅力を伝えながら、にほんの里にふさわしい地域づくりへとつなげます。

■ごあいさつ
「にほんの里100選」に選定されたことを契機に栄村は、あらためて自然と山里のくらしや文化に誇りを持ち、この美しい栄村を後世に伝えていく使命を感じています。 しかし、昨年3月12日に村は震度6強の大地震に見舞われ、未曾有の被害を受け村民生活や景色を一変させました。そのようななか臆することなくいち早く実行委員会では、にほんの里100選「北信州栄村フォトコンテスト」の事業をスタートし、全国に作品募集を呼びかけながら村復興の機運を盛り上げてきました。併せて本事業にご協力いただきました各団体の皆様、ご応募くださった皆様に敬意と感謝を申しあげます。 このたび開催する写真展は単なる栄村の紹介ではなく、村をご支援くださる全国の皆さんとつながる機会として、また新たな交流の機会として期待しています。 (長野県 栄村長  島田茂樹)

栄村の里にもようやく春がやって来ました。残雪のなかですが、桜が咲き、木々の芽吹きがはじまり、躍動感に満ちています。昨年3月の大震災、そして今年の豪雪を乗り越えてこられたのも村民の村を愛し復興したいという思いと全国から寄せられたご支援の輪のおかげです。 フォトコンテストには154名の皆様から564点の応募がありました。この栄村に来ていただき、それぞれの感性ですばらしい瞬間を撮影していただきました。にほんの里=栄村の魅力を引き出していただき、本当にありがとうございました。 また、本事業の監修及び審査委員長には長年撮影地として栄村を訪れ、交流のある写真家の三輪薫氏に務めていただきました。今回の写真展は、審査会で選ばせていただいた29点の入賞入選作品と村の子供たちの作品を展示しています。このようなすばらしい写真展が開催できることは主催者として喜びに堪えないところです。 温かいご支援とご協力をいただきました関係各位に感謝するとともに、この写真展を多くの方々にご覧いただき、栄村へ来ていただくことを願っています。 (にほんの里100選「北信州栄村フォトコンテスト」実行委員会 実行委員長 廣瀬治夫)

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